来年はいよいよ2020年ですが、かれこれ半世紀ほど遡って1970年の大阪万国博覧会を見に行ったことのある window tribe です。
小学生ながらに未来を感じてから早や半世紀。しかし、自動運転が
一方で万博当時の予想を大きくかけ離れて発達したのが「電話」
また、私が小さな頃はコンビニなどは無く、スーパーマーケットも「市場」と言っていた時代ですので、正月三が日はどこもお店が開いておらず、初詣を済ませると羽根突き、カルタ取り、凧揚げをするしかない時代でした。凧揚げ以外では、竹ひごのフレームに紙を張って翼を作っていたゴム動力の飛行機もやっていました。
「仮面の忍者赤影」の作中で白影が大きな凧に乗って偵察していたことなど知らない世代が大多数で一抹の寂しさも感じます。
現代の凧揚げ「ドローン」
唐突な出だしですが、「凧揚げ」と「電話」、全く関係がないようですが、今回の話の重要なポイントです。
昔は凧だったものが、今では「ドローン」になってしまいました。そのドローンを操縦するのには、「スマホ」のタッチパネルやWiFiの電波を用いるものもあります。半世紀前にはそのような用途は思いもしませんでした。
我々の印刷の仕事でも、学校などの周年記念誌を作るのに必須だったのが、校庭で生徒・児童が数字の形に並んで人文字をつくり、飛行機からの航空写真で学校全景を入れる写真です。昔はチャーターの軽飛行機でウン十万円の大事業です。
今ではドローンが飛べる条件が揃えば5万円かからない程に垣根が下がって来ました。もっとドローンの普及が進めば、自前の機材で撮るとただ同然となる時代も近づいてくるのではないでしょうか・・・・・多分来年の2020年から。
と申しますのも、ドローンを飛ばすには、まずは航空法では、バッテリーを含めた機体重量が200gを超えるドローンは、空港等の周辺の上空の空域、人口集中地区の上空、150m以上の高さ、に該当する空域で飛ばす場合に規制対象となります。
まるっきり禁止と言うのではなく、安全性を確認できる書類で事前に地方航空局長の許可が下りれば飛ばす事ができます。ただし書類と言うのはフライトのプラン、機体の事、操縦者のスキルなども示し、私のような書類アレルギーにはハードルが高いです。
ただし、ここでの注目点は、バッテリーを含めた機体重量が200gを越えなければ航空法に抵触しないことになります。従来でしたらトイドローンといっておもちゃ扱いなジャンルで、撮影できると言っても機体正面しか撮れず、真下が写せなかったり、画像も仕事で使うには満足できないクオリティーだったようです。
ところがドローンのリーディングカンパニー「DJI」からこの11月に発売された、重さ199gで航空法に抵触しない「MAVIC MINI」は、3年前の発売で私も使っている「MAVIC PRO」と同等の1200万画素のカメラを備えています。
航空法以外にも、私有地では土の中から空の上まで所有者の権利が有る事、肖像権、道路交通法など様々な縛りはありますが、それでもこの機体を用いる事で従来より大幅な自由度を得られる事は明らかです。
昨年は一般向けドローンのフラッグシップモデル「MAVIC 2」が発売されて、1インチの大型センサー搭載機の「PRO」と、センサーは従来機と同様ですがズーム機能をもった「ZOOM」の2機種が出て、薄給の中でどちらにしようか1年間迷っている間に、価格的に1/3ほどの「MAVIC MINI」の発表となり、ちょっとだけ考えて・・・渡りに船で予約してしまいました。
「MAVIC MINI」は世界的には250gの重量で飛行時間が30分飛べるバッテリー搭載なのですが、日本仕様は199gに収めるために飛行時間18分のバッテリーで軽量化された特別仕様で生産が追いつかず、納期が1ヶ月以上遅れて年末に私に手元に来るのかも流動的です。
このように高性能で低価格な機体で、一気にドローンが普及していくのは未来が近づき結構な事なのですが、それゆえに「するなと言う事をする」人種も多く出てくる事が予想され、新たな規制が必要になるのではと懸念されます。
旧型ですが・・・MAVIC PROをみる
そんなことでどんどん旧型になっていく私の「MAVIC PRO」なのですが、購入時には1~2万円のトイドローンを経ずにいきなりこの機種を買いました。趣味の自転車で小出しに紆余曲折しながらステップアップした結果、7台に増えて結局最初にブロンプトンの6速仕様を買っておけばよかったと言う経験をふまえて、最初からそこそこの性能を持つものを買いました。
折りたためば500㎖のペットボトルよりちょっと大きい機体のほかにラジコンで言うところのプロポに当たる伝送装置があり、これにスマホかタブレットに「DJI GO4」という操縦・管理用のアプリをインストールして接続して、モニター、操縦、記憶、画像加工などの役割を担わせます。
私の場合、スマホは iPhone 3Sの頃は持っていたのですが、「こんなちまちました物は要らん」とガラ携とiPad持ちになりました。幸いにもiPadがあったので飛ばす事は出来ますが、
飛ばす準備をする
自分の手を離れて空を飛ぶのですから、最初は「墜落」という二文字が脳裏を支配しおっかなびっくりで飛ばしたのが懐かしいですが、実は使い方を誤らなければ高度に安全な道具です。
屋外でGPSの電波を多く捉えた状態で、離陸場所の座標を記憶し、飛び上がらせます。モニター上にはカメラの捉えた映像が映っていますが、小さな地図をダウンロードしているので、どの辺りをどっちに向かって飛んでいるのか見ることができます。他にも高度、バッテリー残量に伴う残り飛行時間、カメラのパラメータなどが表示されます。
出先でのソフトのアップデートや地図のダウンロードに回線が繋がっている必要も有ります。現代の「凧揚げ」に通信回線とは、冒頭の大阪万博当時の「電話」機能か
モニターに「RTH」ボタンというものがありますが「リターン・トゥ・ホーム」の略で、このボタンを押すと、GPSで記録してある離陸した座標上空に一目散で戻ってきて真っ直ぐ降下してきます。私の経験では離陸した地点から戻ってきた時に1mもズレたことはありませんでした。
行きは好き勝手な経路で飛んでいって、戻りは自動ですので、おっかなびっくりだった垣根が一気に下がりました。この他にも、飛んで行った場所から、離陸地点に戻るのに必要なバッテリー残量になりそうになったら自動的にRTH状態になり戻ってくるなど、基本性能のさわり部分を使うには高度な安全対策が施されています。
しかしあくまでも過信は禁物で、職業にするなど機能をフルに使うようにしようと思えば高機能ゆえに多岐にわたる設定をチェックリストを用いて確認しないといけません。またセンサー類をカットしたスポーツモードにすると60㎞/h以上のスピードが出ますし、いざという時にGPSに頼らない操縦スキルも要求されますので、頻繁に飛んでいないと上手にはなれません。
カメラ部分は「ジンバル」という聞きなれない部品を介して機体に接続されています。飛行中は風やモーター、空気抵抗などからくる振動に曝され、そのうえ移動するためにはバイクや飛行機のように機体を傾けることがあります。そのような諸条件を打ち消しながらカメラを常に水平の保ち安定させるパーツです。
私もドローンを持ってみるまで「ジンバル」という言葉は知りませんでしたが、作動状況は精巧なロボットアームのようで感動します。何でも分解したがる私もこれだけはネジを外そうとは思いません。
カメラの性能的には普通のデジカメ並みの1/2.3″サイズのCMOSセンサーで、ズーム機能のない単焦点ですが静止画は1200万画素あり、そこそこの写真は撮れます。
動画は4K画像を30fps(880万画素の高画質で一秒間に30枚のパラパラ漫画みたいな)かフルHDの60fps(210万画素の秒間60枚パラパラで動きが滑らか)で撮影できます。
これらの撮影データは機体内のマイクロSDカードに収められます。また、送信機の方にはライブ映像として遮る物のない好条件では4km先まで届くそうです。
それでは次回は初心者がおっかなびっくり飛ばしだしたドローンをどのように使っているのかをご紹介します。
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