ヒロシに追いつけ!ソロキャンプあれこれ(3)、見近島徹底解剖

 この度の台風19号により、各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生するなど大規模な災害になりました。災害でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまにお悔やみを申し上げます。また、被災された皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます

 私の住んでおります東広島市でも昨年の豪雨災害で国道・高速道路、山陽本線など大動脈が土砂崩れ、崩落などにより遮断され、物流が長らく滞ったという経験で、このブログの前回でも100円ショップの品物を事前に準備することで災害時の困難を少しでも乗り越えようと考えていた矢先で、九州北部の豪雨に続き、このたびの台風災害発生ですので、常に考え続ける事の重要さを痛感しております。


 当初、自らに課した「月一回、お金を使わず、工夫して、不便を楽しむキャンプに行く」というノルマが、公私多忙で十分に果たせていない状況となっている のですが、相当量は通っているのでネタは当分ありそうです。

 そんなことで、昨年9月に、しまなみ海道の愛媛県今治市に属する伯方島と大島の間にある周囲1.5kmの無人島、「見近島」で初キャンプを果たしたのは初回で書きましたので、今回は「そもそも見近島とは何ぞや」というアウトラインを周辺の状況を交えてお知らせします。


まずは上空から眺めてみる

 最近キャンプに行けてないと言いつつも、9月に久々に「見近島」に行けたのですが、ちょうどバイクが原因不明の故障という訳が有って、止むなく車に自転車を積んで伯方島の道の駅からのアクセスとなりました。

 せっかくの車ですのであれこれと荷物を積み込み、それならばと久々に「飛び道具」も持参して普段は見られない光景を上空から動画で撮ってみました。


 ドローンを飛ばすには規則が色々と有りまして、人口集中地区(DID)と呼ばれるエリアは飛行不可、高度150m以上は航空機の領域でそれ以上の高度では飛行不可、人・車・家屋など第三者から30m以上の距離を置くなどのルールがあります。

 それらを満たしそうな場所として、見近島対岸の「ドルフィンファームしまなみ」の南側の海岸高台から、見近島の北側にあたるキャンプ場方面に飛ばしてみました。


見近島とは・・・・

 伯方島から大島に渡る「伯方・大島大橋」は二つの橋の総称で、途中の橋脚が設置されているのが「見近島」です。

 長大橋が多いしまなみ海道の中でも「伯方橋」は橋長が300mちょっとの箱桁橋で高架橋のような構造です。それに連なる「大島大橋」は橋長が900mの吊り橋となり、二つ合わせて1230mの長さとなります。

「見近島」には、この橋の自転車・原付道の途中の降り口からのアクセスとなり、よって自転車、125cc以下のバイク、徒歩で行く事になります。

 対岸の道の駅「伯方S・Cパーク」隣のドルフィンファーム越しにも間近にキャンプ場を見ることが出来るほどで、無人島と言っても島に渡るという感覚は希薄です。歩いて行っても30分ちょっと位の「川向うに渡る」感じでしょうか。

 島の外周を一周できる道は無いのですが、キャンプ場の北東と南西に「伯方・大島大橋」の橋脚が設けられ、島の南岸のキャンプ場を中心に双方の橋脚の根元に向かうトンネルが設けられていてます。

 キャンプ場は看板では「野営地」と書かれています。ソロキャンパーやカブ親父の聖地となっていて、連休日などは全国各地からのキャンパーで賑わいます。来訪者は原付10に対して自転車1ほどの割合な感じで、稀に徒歩で荷物を引きずって来島する勇者がいます。

 乗ってきた乗り物、とりわけ「カブ」の系統の同好の方々の情報交換などで語らう声が遅くまで続いたり、反対に私のように世間のしがらみから解放されて物思いに耽って孤独を楽しむ人もいたりしますが、総じて女性の数は少なく、家庭から弾き出された「オヤジ天国」の様相です。

 無人島と言いながらも管理棟の吹き抜け部分とトンネルの中は雨天時に雨がしのげるので、お遍路の途中などの長期滞在者の姿も見ることがあります。

 ここまで、オヤジキャンパーの楽園となったのは、車でのアクセスが出来ない不便さで、ファミリーキャンプのじゃりん子が来づらい環境である事と、予約・料金不要の上に、トイレ・流し台完備という至れり尽くせりな環境だという事です。

 ゴミもゴミ箱が有って、燃える物と、瓶・缶類を分類して入れておけば、日中に今治市から委託されたと思う方が、炭や灰と一緒に野焼きされてされていたので、ゴミも持って帰ることもありませんでした・・・・(過去形)。

 今回行ったときに最初に気づいたのがゴミ箱が撤去されていた事です。まあ、そういった善意の待遇を受けていても、いつの日か度を越して、その善意を裏切るような事があった事が想像できます。

 一部の不届き者の行為でも、事が起こると運営者は「禁止」いう方法を取らざるをえません。今回私もご厚意に甘えていた一人として帰り際に流し周りや排水口の清掃をして、ホースを綺麗に巻いてせめて善人面しておきましたが、「来た時より綺麗に」とか「残していいのは足跡だけ、持って帰っていいのは思い出だけ」を心がけましょう。

 過去には「ゴミが捨てられる」と多くのサイトで書いてありますが、今後は「見近島にはゴミ箱はありません」と認識してください。


島内探訪

 吊り橋のアンカー脇には「のろし台」を見ることが出来ます。伯方大島大橋架橋工事にあたり発掘調査したところ、能島の村上水軍の流通の拠点だったようで大量の陶器片が出てきたそうです。

 そのような遺跡を保存するために島の両端に橋脚を作る事にしたそうで、そのために前述のトンネルがあるそうです。

 大島寄りの西側トンネルを通って島の西側に出ますと、こちらにも若干の広場とトイレがあり、ここでもキャンプできるかなと思っていたら、地図に小さく「火気禁止・野営禁止」と記されていました。

 見上げると大島大橋の橋脚がそびえていて、海峡部分には船が行き交う様を眺めることが出来ます。海岸部分は下には降りられませんが、外周部は多少遊歩道のようになっています。しかし、あまり人が通らないようですので、ちょっとばかり鬱蒼としています。

 タンポポなどはざらにどこでも生えていますが、改めてじっくりと見ると種の付き方が見えてきて「なるほどなぁ」と思います。

 また、見たことのない実が三つに弾けて粘っこい赤い実を付けた木が目に入り調べてみますと「トベラ」という木だそうで、種はこの粘りで鳥のくちばしに引っ付き運ばれるとか、枝葉からは悪臭がするなど自然観察しても楽しめます。

 また、もう一方の東側のトンネルを出た先は、伯方島側の橋脚が眼前に見えて、潮が引いた時には下の浜に降りられる階段もありますが、お見せできるような写真は用意できませんでした。


 メインのキャンプ場の潮が引いたので浜に降りてみました。岸に近いところではカニの穴が見られます。夏場は海水浴も出来て、炊事場のホースをシャワー代わりに使うこともできます。潮が満ちている時は釣りに勤しむ人もいます。

 端っこの磯の方に行って、自然観察しますと、潮だまりにはこれと言って生き物の姿が見えませんでしたが、イソギンチャクが身を潜めていました。

 ここで一番多く目に入るのが岩肌に張り付いた大きなダンゴムシみたいな生き物で、ヒザラガイという貝の仲間です。アワビのような味で美味とのことですが、食べられるようにするまでの下ごしらえが大変で、人によってはアレルギーが出るなど書いてありましたので、お薦めではありません。


対岸の施設

 伯方大島大橋は自転車は無料なのですが、原付は50円の料金が必要です。料金所は大島側にあり、見近島ー伯方島間は無料で行き来できます。

 対岸での中心的な施設は「道の駅  伯方S・Cパーク  マリンオアシスはかたです。S・Cというのはスポーツとカルチャーの略だそうです。

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 当然駐車場と駐輪場を備え、サイクリストとドライブの人のオアシスとして、ビーチで遊んだり土産物の購入や伯方の塩のソフトクリームやラーメンを食べることが出来ます。


 その南側にある施設が「ドルフィンファーム しまなみ」で、ウエットスーツを着てイルカの背びれにつかまって泳ぐ事も出来ますし、台の上からでは餌をあげたりキスや握手をしてイルカと触れ合える施設です。

施設案内|しまなみ海道でキャンプ・観光なら|ドルフィンファームしまなみ
今治市伯方町の「ドルフィンファームしまなみ」は、イルカと触れ合える日本最⼤級の体験施設です。オートキャンプ場も併設しているので、キャンプをしながらイルカと過ごすことが出来ます。しまなみ海道の観光の際は是⾮お立ち寄りください。

 またオートキャンプ場も併設され、寒い時期を除きゆったりとコテージ宿泊やグランピングも楽しめますが、何分にもお金がかかる事ですので、当ブログの趣旨とは対角線上にある施設といえます。


対岸での仕入れが簡単

 キャンプの楽しみの筆頭は「食べる事」ですが、自転車やバイクでのキャンプでは極力荷物が少ないのにこしたことはありません。

 このブログの趣旨である不便を楽しむ精神に反するのですが、「見近島」では、到着後に設営場所を決めてテントを張ってから、食料調達するのに大変便利な環境です。

 前述のように無人島と言いながらも「川向う感覚」ですので、伯方島に戻ると、インターチェンジ入り口手前にホームセンターの「コーナン」があり、炭や食器をはじめ、そこそこのキャンプ道具などは入手できます。

 その隣が「ローソン」で、料理しないのであれば弁当、サラダ、おでん、酒類、つまみと何でも揃っていますので、即宴会に突入できます。多分、「コンビニの近い無人島」としてギネス級だと思います。

 その先の方に走りますと、ドラッグストアの「ZAG ZAG」です。薬は勿論、虫よけ・殺虫剤が調達できます。

 ローソン・ZAG ZAGとも、スーパーが近隣にない場所柄ですので、飲料・酒類、調味料、ハムソーセージなどの加工食品のほかに、カット野菜や卵などの生鮮食品も若干は置いてあります。

 買い物に便利とはいえ肉類や魚介類の調達はそこそこのスーパーマーケットに行かないと調達できません。

 伯方島ではバイクで10~15分くらいの所に「伯方ショッピングセンター」というスーパーがあり、一通りの物は揃いますし、100均コーナーもあります。

 大島側では島を半分以上突っ切った吉海町側に「ライフショップ」というスーパーがあります。規模的には伯方島と同様ですが、見近島からの利便性という点では伯方島に軍配が上がります。

 今回は私が通って知りえた「見近島」の情報の一端をお知らせしましたが、次回以降は当初の「お金をかけずに、工夫して、不便を楽しむ」という趣旨に則り、徐々に進歩していく様子を印していこうと思います。

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