しまなみサイクリング入門(12) 番外編 全国レンタサイクル事情。

 最近はカメラの話が忙しく、自転車方面の話がなおざりになっている「 window tribe 」です。

 本ブログで「しまなみサイクリング」を標榜して語っておりますが、以前は暇さえあれば関東・関西を中心に人出の多い博物館・美術館、寺社仏閣を巡るのが趣味で、地元のしまなみ海道は「そんなのが有るね」くらいの認識でした。

 そんな私が、各地を見聞し修行してきた集大成として、満を持して地元の恵まれた環境の「しまなみ海道サイクリング」に踏み出したという経緯がありますので、今回から3回ほどその修行の様子を書き連ねてみます。


何はともあれレンタサイクル

 これまでしまなみ海道サイクリングについて散々書き連ねてきましたが、自転車がないとサイクリングになりません。そこで一番手っ取り早い手段が、公共交通機関や自家用車でスタート地点まで移動してレンタサイクルを借りるという手段です。
 
 ただし、しまなみ海道でも、稀に行楽シーズンともなると下の今治「サンライズ糸山」のように借りるまでに何時間かかるのか分からないほどの事態に巻き込まれることもありますので計画には用心を。
(写真は行列の末尾から先頭までの3枚組ですが、うんざりすると思います)

 これも、しまなみ海道がレンタサイクル天国で注目されている証ですが、私はそこそこ修行を積んで準備万端、自前の自転車で始めましたので、しまなみ海道では一度も自転車を借りた事がありません。

 しかし、この原稿を書こうと思い起こしてみますと、全国と言いながらも関東・関西が中心になりますが、行く先々でこれでもかとレンタサイクルにお世話になった記録が出てきましたので、この機会に「修行の第一段階」として、利用時の様子を書き連ねておきます。


各地のレンタサイクル事情

 まずは東京です。けっこう吉祥寺界隈に出没していましたが、武蔵野市が運営する駅前のレンタサイクルは土地柄なのかお洒落なミキストタイプという女性でも跨ぎやすく、それでいてスポーティーな車種でした。それ以上に驚くのはそのお値段で1回24時間以内で200円というプライスでしたので、利用しない手は有りません。

 周辺の名所の、神田川の源流でもある「井の頭公園」、象のはな子が有名だった「井の頭動物園」、言わずと知れた「ジブリ美術館」などに足を延ばすのには最適でした。


 東京湾を挟んだ反対側の千葉県木更津でも、十数年前にレンタサイクルを借りた記録が出てきました。

 大河ドラマ「いだてん」の宮藤官九郎が、駆け出しを過ぎた頃に手掛けた「木更津キャッツアイ」のロケ地をミーハーなことに徘徊しましたが、ブームのほとぼりが冷めかけた頃に行ったので随所にシャッターが下りているのが印象的でした。

 そんな中で一番驚いたのが証誠寺(しょうじょうじ)というお寺を通り掛かかったとき、童謡の「♪ しょ、しょ、しょうじょうじ~ ♪ 」の曲名が実は「証誠寺の狸囃子」で、それが木更津にあったということを知りました。このように行く先々で何らかの収穫を得る事ができます。


 滋賀県では琵琶湖の最南端にあたる石山駅で、駅レンタカーが運営する駅リンくんというレンタサイクルを借りましたが、1回350円と、これもリーズナブルです。

 この時には日本三名橋に数えられる事もある「瀬田の唐橋」からスタートして琵琶湖博物館でじっくり勉強して、琵琶湖大橋から南側の湖南をぐるりと1周して約40kmを走りました。


 世界的な観光地である京都では、最近は京都駅界隈にお洒落なレンタルサイクル店が揃っていますが、昔は阪急の西院駅でレンタサイクルを借りて平安神宮や御所など京都市中を観光していました。

 阪急のメリットは1回310円のプライス以上に、6時半から借りられるのが特徴で、街が空いているうちから行動できる事でした。

 通常のレンタサイクル店が8時半~9時より営業のところ、鉄道会社系レンタサイクルは生活やビジネスの足の役割があるようで、先ほどのJR西日本系列の駅リンくんも6時半からの営業でした。

 最近では定宿にしているホテルで内装8段変速のグレードの高い自転車が借りられますのでもっぱらこちらを利用しています。

 ある時は鴨川に沿って走り京都大学や下賀茂神社、植物園辺りまで北上したり、またある時は伏見神社や宇治平等院辺りまで南下していました。


 四国では高松駅や丸亀駅で自転車を借りてうどん屋巡りをしていましたが、何軒も回っているうちに腹ごなしも兼ねた事になったかどうかは分からなくなりました。

 高松駅では地下駐輪場で自転車を借りることができました。この辺りでは、「うどん」もさることながら、人間と仲良くなりたい赤鬼のために悪役を演じた「優しい青鬼」の話が勉強になりました。

 丸亀駅では電動アシスト自転車を借りる事ができましたが、団扇の形のヘッドマークがレンタサイクル感を力強くアピールしていました。

 弘法大師空海の出生地、善通寺辺りまで足を延ばして、うどん屋を巡りしましたが、あまり特徴のない田んぼに囲まれた道を走る事が多く、何処をどのように走ったか記憶に残っていません。


 そうそう、多くのレンタサイクルは、フロントバスケットが付いているのが特徴ですが、これにバッグを放り込んで身軽に走れます。このようにレンタサイクルは、身近な存在として世間知らずの私に見聞を広めさせてくれる良き相棒として活躍してくれました。

 次回はレンタルではなく、自分の自転車を持ち歩く「輪行」について書いてみます。

 

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