過酷な環境に挑むカメラ達、後編。オリンパスで出かけよう。カメラ道楽部屋(6)

 「過酷な環境に挑むカメラ達」というテーマで書き出しまして、私が常用しているSONYのカメラは前回の中編で、地面に激突したり洗濯機の突っ込まれるなど、いかに可哀そうな事をしているのか告白しました。

 今回の後編としては、もう一つ常用しているメーカー、オリンパスのタフなカメラについて、これで何を撮っているのかの用途について書いてみます。

アウトドアカメラをリードするオリンパス

 一般にカメラといえばニコンとキャノンが二大巨頭でオリンパスは少しばかり引いた位置にある存在です。(時折お世話になる胃カメラでは世界シェア7割という大きな存在ですけど・・・)

 しかし外で写真を撮る時には頼りになるタフな機種が多いメーカーでもあります。フィルムカメラの頃のμ(ミュー)シリーズでは雨くらいなら大丈夫な防滴構造を備えたモデルがあり、μデジタルシリーズになっても生活防水機能を備えたものが多くラインナップされていました。後に型番に「SW(ショック&ウオータープルーフの略)」や「Tough(タフ)」の文字が入ったモデルは水中撮影が可能な本格的な防水性能、耐衝撃性能、耐加重性能、耐寒性能を前面に出しています。


 私の手許にある防水カメラで一番高性能なのは、一つ型落ちですがF2.0の明るいレンズを備える「TG-4」というモデルで、オプションのLEDライトガイドを装着して、マクロ撮影時の被写体に影が出にくいようにしています。

 性能的には持て余していますが、屋外で植物・昆虫など撮るには顕微鏡モードなど備えていて魅力的です。

https://www.olympus-imaging.jp/product/compact/tg4/


キャンプに連れ出す

 持ち歩くには前回紹介したSONYのTX10が圧倒的にコンパクトで邪魔にならないのですが、キャンプなどアウトドアに出かける時はついつい雰囲気でTG-4を持ち出します。

 昨年倉橋島でキャンプしていた折に、朝食代わりにたこ焼きを焼いて悦に入っていました。いくらかは焦げカスが地面に落ちてしまいますが、私の老眼でそのカスが風も無いのに勝手に動いているように見えました。目を凝らしてみると小さなアリが集団で運んでいます。(イエヒメアリっていうアリみたいです) 咄嗟のことでTG-4で近寄って撮ってみましたが、ピントの合う範囲が狭い写真しか撮れません。実はTG-4は「深度合成モード」といって手前から奥までピントの合った写真が撮れるモードがあったのですが、その時にはそんな事はつゆ知らずでした。  
 レンズを通してアリのサイズになったつもりで観察していると、アリというのは自分の体より大きな食べ物を集団で意思をもったように目標の方向に向かって運んでいるのに感心します。

 障害物を乗り越えるために6本の脚と並んで、とりわけ大きな役割をこなしているのが顎で、咥え込んで持ち上げたり引っ張ったりしているのもおぼろげながら観察できるのもカメラの性能のお陰です。(ちなみに上の写真のアリの体に比べて丸太のように太い茶色の障害物は、実は枯れた松の葉っぱです)


 ほかにも普通は無関心に見過ごしてしまうタンポポの種なども、オートフォーカスでは表面の綿毛の所にピントが来た写真になりますが、より好奇心があれば近づいてマニュアルフォーカスで真ん中の部分にピントを合わせて種が集合している様子を見ることができます。


 テントウムシは虫嫌いな人でも例外的に愛される虫ですが、大きく撮ってみると結構「悪顔」なのが分かりますし、裏返すと「腹黒い」こともばれてしまいました。


空を見上げる

一眼レフはオリンパス製を使用していますので、この辺りもお話してみます。
 オリンパスのフラッグシップモデルはニコンやキャノンに比べると何とか手の届く範囲で、「E-3、E-5、E-M1」と3代続けて使っています。E-M1の次のE-M1 MkⅡは考えあって購入は思いとどまり、空とぶカメラにした経緯は以前どこかで書いた通りです。

 そんな歴代オリンパスのフラッグシップモデルは防塵・防滴ボディととなっていて、レンズのランクが通称で松竹梅の竹ランク以上のレンズと組み合わせる事で過酷な環境に立ち向かうことが出来るようになっています。防水仕様ではないのですが、小川の中に三脚ごと倒れて水浸しになっても大丈夫だったとか言う話はあるようです。

 またこのブログのシリーズを書き出して第1回目にSONYのデジカメのイメージセンサーのごみ取りの話を書きましたが、一眼レフはレンズ交換の度にセンサーが外気に晒され、塵が付着する危険性がありますが、これらの機種は超音波の振動でセンサー面の塵を落とす機能も搭載されています。この機能で屋外でも他メーカーより気にせずレンズ交換できていました。

 そんなカメラを何に使っていたのかというと猫の撮影と、飛行機の撮影です。猫は悪条件を嫌いますので悪条件で撮る事はないのですが、航空ショーは開催日の天候がすぐれなくても行ったからには撮らないといけないのは本能みたいなもので、大砲みたいなレンズにカバーを掛けて撮っている方も多いです。このような場面ではEシリーズの防滴性能は頼りになります。


 下の写真はANAの767のエンジンポッドの黒い帯状に見えるスラストリバーサー(逆推力装置)が減速のために着地直後に作動し、前方に推力を噴出して機体の下に水煙が上がっています。

 下の写真はその折り返し便の離陸時にノーズアップして主脚が滑走路から離れる瞬間、エンジンからのブラストが地面を叩いて水煙が上がるさまです。

 雨天の撮影では好天時には見られないジェットエンジンの働きを可視化できる写真が撮る事ができますので、苦労の中にも楽しみを見つけ出すことができます。


 時計メーカーのブライトリングのアクロバットチームも天気の悪い中、複葉機の主翼の上で美女が踊りながら飛んでくれました。遠目には優雅なのですが、望遠レンズでのぞき込むと風圧で美女のほっぺがプルプルしているのが見えてしまいました。

 


宇宙に行ったE-3

 そんな、こんなで、私の道楽に付き合って、見えないものを見えるようにしてくれるカメラたちです。旧聞になりますが下の写真右側のE-3JAXAとオリンパスのアナウンスによりますと、スペースシャトルで国際宇宙ステーションの実験棟「きぼう」まで若田飛行士と行ったそうですので、私のささやかな道楽より大いに活躍しているようです。

JAXA|日本人宇宙飛行士による最初の「きぼう」有償利用の実施について

https://www.olympus.co.jp/jp/news/2009a/nr090226spacej.html

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