前回は我が家の道楽部屋にいる色々なメーカーの、主に防水機能のあるカメラたちをご紹介しましたが、最後に書きましたように「持っているだけで、使っていない」ものですので、今回の中編は、普段使っているSONY製のカメラ、次回の後編でオリンパス製のカメラでタフな機能を持った機種を紹介します。
SONYの防水カメラ
この「カメラ道楽部屋」と題して書き出した1回目に、私がSONY製で使っているカメラは20倍ズームのDSC-HX30Vと10倍ズームのWX220の高倍率機を常用しているように書きましたが、今ではHX30Vは30倍ズームのHX90Vにバトンタッチしています。これらの機種は高機能ですが、年季が入ってくると塵がセンサーに付着したり、鏡胴から異音がしだすなどデリケートな一面が有りズボラな私でもそれなりに気を使っています。
そんなSONYでも防水・防塵・耐衝撃などの機能を持ったカメラがあり、大昔のサイバーショットPシリーズ用にはマリンパックという水中撮影用のハウジングケースも有ったりして、40m防水の性能がありましたが、パッキン部分にはグリス塗布などメンテナンスも欠かせないようでした。
ここまで大袈裟でない普通のモデルとしては、前回お見せしてきたアウトドア系の自己主張のあるデザインの機種たちとは一線を画した、DSC-TX5という一見、防水・防塵・耐衝撃機能を持ったモデルと言われるまで気付かないさり気ない機種がありました。
ところがTX5は、一定期間を過ぎますと、ステンレスのフロントパネルの塗装の付着が弱く端からパリパリと剥離したり、手振れ防止機能が暴走してバイブレータみたいな「手振れ倍増機構」のようになったり、なかなか曲者の機種でした。(保証期間が過ぎて暫くすると壊れる「ソニータイマー」という噂も広く知られていますが、そういわれても仕方ない症状でした)
その後継のDSC-TX10という5m防水、1.5m耐衝撃、-10℃耐寒の機種を使い出したのですが、TX5より高画素化やUSB端子から充電できるなど機能的にも強化されました。
掌にすっぽり納まる軽量コンパクトで、ポケットに入れても出し入れがスムーズなシンプルでスリムな形状も幾分洗練されて、気に入って多い時には色違いで3台持っていて長らく愛用しています。
この後継のTX20はキープデザインで操作感が改善されたマイナーチェンジ版、次にこのシリーズの最終モデルTX30はそれなりに高性能ですが値崩れしないので、機能と値段が合わず手に入れていません。
TX10、戦う、しかし・・・
TX10は、雨天の「しまなみサイクリング」の時にも使用して重宝しています。翌日の観潮船に乗った時にも横からの雨や汐の飛沫など気にしないで使用できました。
そんなTX10なのですが、1.5mの高さからの耐衝撃性能については、安物のストラップで首からぶら下げていた折に、年甲斐もなく横断歩道をホップ・ステップと走って渡り、最後にジャ~ンプして着地した瞬間に・・・ストラップの金具から紐が抜けてカメラが地面に激突。お腹ぐらいの高さですので1.5mに満たないのですが・・・・、勢いが付いていたのかモニターにひびが入りました。耐衝撃カメラも「地球との喧嘩」には勝てませんでした。
持っている事を忘れるくらい薄くてコンパクトなうえ、5mの防水性能を有するTX10ですが、別の1台を旅先から帰ってきてパーカーのポケットに入れたまま、うっかり洗濯機に入れて、出てきた時には綺麗になった事と思いますが・・・・orz。
2~3日干してスイッチオンで電源は入りましたが、レンズ部分が浸水したのか画像がボヤけます。水深は1mにも満たないのですが。
来島海峡の渦潮を見るのは良いですが、自宅の渦潮の中に入れたらいけないなど、人は経験することで賢くなれる事を学習しました。ノーベル賞をとった方のインタビューでも「失敗を積み重ねた」というフレーズが結構ありますので・・・・・これを負け惜しみって言うんですかね。
まあ社内では「電子レンジを爆破する男」と呆れられている私のような物の使い方が分かっていない人間にはTX10は力不足だったようですので複数台持っていないと不安になります。
また、ひびの入ったモニターを交換しようと部品取りで入手したジャンク品のイエローの個体は、当初動いていましたが、すぐさま不調に陥りましたので、この際ですので勉強のためにとことん分解してみました。
TX10は耐衝撃を謳いながら表側のアルミカバーと外側のプラスチック部分が凹んだり割れたりした個体が多いので、知らない人が見たら防水性能がダメになったのではと思ってしまいそうですが、外装パーツは自動車のクラッシャブル・ストラクチャーのように壊れる事を前提で作られているようです。
外装パーツを取り外すと黒いプラスチックで作られた本体が見えてきましたが、これはなかなか頑丈そうです。ここで勇気を振り絞ってネジを外して本体を開いてみますと、外周を囲むように赤いパッキンを施して防水されていました。
この個体のバッテリー室内は、塩が乾いた跡なのか白くなっていましたので浸水していたようです。
耐衝撃カメラは往々にして鎧兜のようにクッションとなるゾーンを設けてますます大型化しているように思えるのですが、SONYの設計思想は各部を極限まで軽量コンパクトにして身軽にすることで衝撃を小さくしようと考えているように思えます。
前回、防水カメラはレンズが飛び出すようには出来ないので、本体内に屈折光学系という方法でズームユニットを組み込むような事を書きましたが、このユニットでは正面のレンズ直後に光の向きを90度変えて縦方向に5倍のズームをしている事が分かりました。その底面にセンサーの裏面照射CMOSが入っていました。
手振れ補正ユニットの四角い箱の部分に磁石とコイルが仕込まれていて、光の通り道の終点であるCMOSセンサー手前にある補正用レンズを手振れを打ち消す方向に前後左右に駆動しているようです。
さすがにTX5の時のように、手振れ防止機構の暴走による振動は起きないように改善されているようです。
さて、分解の目的であるハウジング裏側のモニターを取り外して、落下してひびが入った個体に移植しようと思ったのですが、接着しているのか、はたまた隠しネジがあるのか悩んだのですがモニターだけを取り外す事が出来ずに断念しました。
このシリーズの第1回目に書いたWXシリーズやHXシリーズのように簡単にはいかないので要修行です。
そんなことでストラップが切れて落下しモニターにひびが入ったまま修理を諦めたTX10でも、ヤフオクに出品したところ7000円位で売れて、根強い人気に驚きでした。
最近、手元にあった一番程度の良いシルバーのTX10は、「新たな野望」の資金作りのためお嫁に出しましたが、それでも道楽部屋には青と黒のTX10と部品取りの残骸が2セットありますので、まだまだ酷い目に遭わせても修理しながら使っていきます。
次回の後編ではオリンパス製のタフなモデルを使っている様子を紹介をしていきます。
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