趣味が広く浅く、そのうえ中途半端なところで挫折するとすぐ飽きてしまう「 window tribe 」です。
昨年末に「来年はカメラの事を書け」と言われたのですが、実際のところ撮るのは我流で、取り扱い説明書は10分読んだら瞼とともにパタリと閉じて、機材も薄給の中からやりくりしているので航空ショーで大砲のようなレンズを振りかざしている方々の中には貧相で入り込めず・・・
しかしながら一般市民的な立ち位置ということもできますので、好奇心だけは旺盛な初心者目線で「カメラ道楽部屋」と称して様々な角度でカメラについて、思ったこと、驚いた事、感じた事を中心に広く浅く書き綴ってみます。
そういうことで第1回目は、道具としてのカメラもトラブルに見舞われることもありますので、その辺りからアプローチしてみようと思います。
撮像センサーにゴミが付着した
私が使用している一眼レフはオリンパス製なのですが、普段はかさばる一眼レフを持ち歩く訳でもありませんので、最近まで日常用にカバンに放り込んでいたのは、SONYの20倍ズーム、GPS搭載のサイバーショットDSC-HX30Vという近くから遠くまでほぼ何でも撮れる優等生の万能選手でした。またサイクリングなど身軽な出先でしたら10倍ズームレンズ搭載のDSC-WX220というよりコンパクトな機種の使用が多いです。
これらのSONY製の機種で型番にXの文字が入ったものは撮像センサーが従来のCCDから最近の主流である裏面照射CMOSというセンサーになっており、詳しい話はさておいて低消費電力と高感度化、高速書き出しでカメラがお利口になって撮影に失敗の少ない機種になっています。
強みが有る反面、どこかしら弱点もあるもので、この両機種など電源をONにするとレンズの鏡筒が飛び出し、そのうえ高倍率なタイプでは、ズームアップで筒がグーんと伸びるということは水鉄砲で水を吸い込むのと同じで筒の中が負圧になります。そうすると接合部などから外部の小さな埃をカメラ内に吸い込んでしまうことがあります。
それが内部のセンサーに付着しますと、特にズームアップした時などにモニター上でもチリの付着が確認出来てしまいます。
よくある一文となりますが、「メーカー保障が受けられなくなりますので自己責任で」の世界になりますが、とうに保障期間は過ぎていますので問題なしです。
まずはネットで機種と症状を叩いて検索をしますと、HX30Vは「持病」と言っていいほど多くの報告例があり、先人がその対策方法をアップされていて、そのうえYouTube上で動画までアップされているところもありますので大いに助かりました。
まず最初に試してみたのが分解をせずに、レンズが出た状態で鏡胴を掃除機のホースに突っ込んで吸い出すという荒療治です。普通の人なら「冗談かよ」とも思いますが、筒の外を負圧にして吸い出すのは理に適っている一面が有り、10回に一回くらいはセンサーのチリがどこかに行ってくれる感じで運が良ければそれで修理完了となります。
ところが世の中そんなにうまくは行かず、掃除機で吸っても直らないケースの方が多いので、気を取り直して先人の知恵を拝借して、正攻法でセンサーの所まで分解して清掃して組み直しました。
チリが消えた時の達成感は何物にも変え難かったです・・・・・が、これで調子に乗って、これ以降ヤフオクでポンコツカメラを何台とか言う単位ではなく段ボール箱に10数kg単位を二束三文でまとめて買っては直して行くという困った道楽にズブズブとはまってしまいました。
おっかなびっくりで分解手順を紹介
前置きが長くなりましたが、ここからが本題で、HX30Vでは先人の方々からネットで多くの知恵を授けて頂いた恩返しで、今回は先だってポンコツで入手したところ、センサーにチリが写り込んでいたWX100を私のつたない手つきで分解して、その時の様子とカメラの内部をご紹介します。
WX100はWX7から続くコンパクトサイズの筐体(きょうたい)で、細かな改良が代々加えられて進化しながら、年代とグレードで部品の互換性はあったり無かったりしますが、後継のWX200、WX220に至るまで中身の構造自体ははそんなに変わらないと思います。
分解に当たっては自己責任というのは前述の通りですが、フラッシュの回路に触れますと感電の危険が有り、私も舐めてかかって過去に数回バチっと「痛い(上手に言えませんが本当に痛いです)」思いをしていますので用心を。
傷んだ痕跡が随所にありますが、道具として使われ続けた勲章でカメラは本望と思います。
手持ちのバッテリーを入れたところ難なく起動しましたが、ズームアップしたところ、例の黒い影が数点見えますので、淡い期待とともに一応儀式として掃除機に鏡胴を突っ込んで吸ってみましたが、効果なく分解修理決定です。
まずはバッテリーを外しますが、その前に気休めでフラッシュを発光させてコンデンサーの電気を放電させておきます。使う道具は100円ショップでも売っている精密ドライバーを使用し、部品の散逸を防ぐため小さな箱の中で作業します。
参考にしたサイトではセンサー掃除だけなら、ここのケーブルと次のモニターケーブルは外さずにめくるだけで作業が出来ると書いてありましたが、私は手元をすっきりさせるために外して作業しました。
フレキシブルケーブルは本体側の端子に対し水平に真っすぐ、なおかつゆっくり引っ張ると外れます。
液晶モニターは本体の金属枠に2~3箇所の小さな爪のはめ込みで固定されています。ダイヤルの反対側の液晶モニターと枠の間にマイナスドライバーを差し込むと持ち上がりますので、固定爪を見ながら持ち上げると簡単に外れます。ここでも液晶モニターを基盤から取り外しました。
ダイヤル・スイッチ類は使っているうちに経年劣化で操作感に節度が無くなって誤作動や空回りしたり、モニターは物理的に割れたり変色や電気的なトラブルもあったりしますが、ジャンクで同型品を入手すれば、ここまでのスキルで部品の交換修理ができます。
金属板を外すと銅色をしたシートが見えてきます。シール状になっていますが再使用しますので慎重に剥がしますが、こればかりは原状のように綺麗には戻せませんので覚悟は必要です。剥がした中央部に撮像センサー基盤の裏側が見えて来ました。ひときわ小さなビスを3本外してめくると、ようやく撮像センサーとご対面です。
その表面には良く見るとチリの存在が認められます。ブロワーで吹き飛ばすといなくなりました。CMOSセンサーを剥がしたレンズ側にもチリがあるかもしれませんので、こちらも吹いておきます。銅色のシートは1回剥がすと皺がよりますが、それでも出来るだけ丁寧に貼り戻します。
折り返し地点を過ぎて、今度は組み立てになります。金属板とダイヤル基盤を元通り組み付けます。フレキシブルケーブルの差し込みでは難儀をすると思いますが、意外とケーブルはしっかりしているのでグイっと押し込めます。
分解する時には難儀をして爪を外したり、かと思えば簡単にぽろっと外れたりしましたが、各部品を固定する爪や突起・切り欠きがどういう役割をしているか観察しながら組み付けます。これを一つでも逃して組み立てようとしても蓋が閉まらずビスを締める事ができません。ここでの1mmの違いは大きな狂いで、物作りをされた方々の創意に触れる事もできます。
裏面のカバーを付けたところでビスを締める前にテストで電源を入れてみます。緊張しますがモニターが写ると安心します。ところがズームアップしますとまだ若干影が残っていますが、今回はここまでとします。
動作確認で、裏側のモードレバーをスライドさせると違和感があり作動しません。組み付けのときにレバーの突起と基盤側のスイッチの溝を合わせていなかったのが原因です。こういった失敗の積み重ねはいい勉強になります。
再度裏面カバーをめくって突起の位置合わせをして、今度はOKとなります。これで外装の7つのビスを締めて、若干チリが残りはしましたが、ひとまず修理完了です。
この分解では、センサーのごみ取りのほかに、液晶モニター交換、ダイヤル基盤交換、外装パーツ交換にも応用が利きます。ただしこの先、レンズユニット以降の分解は行ったが最後、スキルが浅い者にとっては魔宮のように戻ってこられない道のりになりかねませんので覚悟がいります。
次回以降、我が家に転がっているポンコツカメラを材料にして、デジタルカメラの進化の歴史を・・・・・私に語れるかなぁ。
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