こんにちはaiです。
山の紅葉も色付いてきました。
秋真っ只中です。
秋といえば・・・
やっぱりaiは読書の秋。
仕事以外はほぼ読書をしているaiが
またまた本の紹介をしちゃいます。
わたしはほっこりする話や泣ける話も好きなんですが、
どうしても読んだ後考えてしまうような話が好きなんです。
今回はそんな読後感を引きづるような本
読んでいやーな気持ちになるミステリ
略して「イヤミス」の本を紹介したいと思います。
イヤミスとは?
「イヤミス」という言葉を最近良く聞きますよね。(わたしだけ?)
「イヤミス」でググってみましたら、イヤミスとは「後味が悪い」「イヤな気分になる」ミステリー小説のことだそうですよ。
さらにイヤミス界には女王と言われる3作家がいるようです。
湊かなえ、真梨幸子、沼田まほかる
なんと私の好きな作家が2名も入っているではありませんか。
しかも今始めて読んでいる作家も!
なので全員知っているということになります。
イヤミスはわたしの趣味ど真ん中だったんですね~。あはは。
湊かなえ『告白』
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すごいのはこの『告白』が湊かなえのデビュー作だということ。
このミステリーがすごい!にもランクインした作品です。
2010年に松たか子主演で映画にもなり、大ヒットしました。
中学教師の主人公の告白から物語ははじまります。
第一章を読んでしまうともうその手は最後のページまでとまりません。
中学教師である森口の一人娘が学校のプールで死亡しました。
それは事故ではなく、このクラスの少年「A」と「B」だと森口は言います。でも、警察には言わないかわりに恐ろしい復讐を仕掛けたのだと言い放ち学校を去ります。
もうこれだけでも怖いですよね~。でも、この森口の気持ち
子どもがいる人はわかると思います。復讐してやろうという気持ちも理解できます。でも物語は想定の範囲内ではおさまりません。
イヤミスと言われるけれど、この作品の衝撃な内容と、強い怒りのエネルギーで、わたしは逆にスカッとしたな~という印象を受けました。
3~4時間あれば一気読みできます。
ちなみに…
湊かなえは広島出身の作家です。
さあ、もう読まずにはいられないでしょう?
真梨幸子『殺人鬼フジコの衝動』
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この本がすごいと口コミでじわじわと拡がり、
50万部を超えるベストセラーになったのだそう。
この秋、動画配信サービス「hulu」でドラマがスタートします。
「こんなひどい話実写化しても大丈夫なの?」
と心配してしまうほど「ひどい・過激・望みがない」話です。
11月13日~HuluとJ:COMより尾野真千子主演で、
全6話一挙配信されるそうです。
気になる人は→こちら
一家惨殺事件の被害者であるフジコ。
悲劇を乗り越えバラ色の人生に憧れていたのに、なぜ殺人鬼と化したのか。新しい人生を歩もうとした少女が嫌悪していた母親のカルマをしっかり受け継ぎ、転落の人生を歩むフジコの一生。
最低でも15人もの人を殺した伝説の殺人鬼フジコの物語です。
フジコに良心などは無く、あるのは純粋な幼稚さ安易さのみ。それ故少しでもうまくいかなかったらとたんに短絡的思考に陥ります。これぞサイコパスという部分は逆に気持ちいいくらいです。
家庭崩壊、虐待、いじめが殺しのシーンよりもえぐく、
そちらのほうがよほど気分が悪くなりました。
共感もできなければ救いもない。
最悪な気持ちだけをばら撒く小説です。
それでも途中ではやめられないのです。
作家の罠にズブズブと嵌っていく快感を感じることができるでしょう。
それにしても最初から最後まで胸くその悪さが半端ないです。
絶対に幸せなラストはないとわかっていてもテンポの良さで、これまた一気読みしてしまう本です。
ミステリというよりはサイコホラー色が強い感じですが、
作者が巧妙に仕掛けた罠があります。
最後の1行で、「あ!」と思いますよ。
この作者の悪意に弄ばれてみてはいかがでしょうか?
沼田まほかる『ユリゴコロ』
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実はこの本、今現在読んでいる最中なんです。
恥ずかしながらこれまで沼田まほかるという作家を知りませんでした。
知らないのになぜこの本を手に取ったかというと、キレイな青色の本の表紙に惹かれたからでした。タイトルが大きく、真ん中にちょっと変わった書体で「ユリゴコロ」とあります。
この本一冊だけで見たらそうでもないのですが、いろんな本がずらっと並ぶ場所で見ると目立ちます。変わった書体だからでしょうか?
それとも聞き慣れない言葉だからでしょうか?
「ユリゴコロ」という言葉に魅力を感じました。
ネタバレを読まないように注意しながら
「ユリゴコロ」をネットで検索してみます。
亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!
気になりますね~
アマゾンのレビューを流し読みしたら、
泣ける話しなのだとか。
現在私は5分の2くらい読んでいます。不穏な展開です。主人公が見つけた「ユリゴコロ」というノートは、殺人者の手記のようです。読んで行くに連れて、この殺人者に引き込まれて行きます。やっていることは非人道的なことなのだけれど、ふんわりしたきれいな世界だなと思うようになって来るのが不思議です。人のどろどろさみたいな下衆な部分を超越した文章だからでしょうか。そこがかえって「きれい」と感じるところかな~と物語中盤にいる今は感じています。
でもサイコホラーなのは確かです。
次にだれが殺されるんだろうとドキドキして進みます。
思わずジャケットで選んだ本ですが、良い出会いをしたと確信しています。
その他、わたしが勝手にイヤミスと思っている本を軽く紹介します。
貫井徳郎『慟哭』
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この作品を見てから後味が悪い小説のファンになりました。
しかもミステリとして最高の終わり方。本を読んで鳥肌が立った作品です。
これがデビュー作だなんて!この作家の本はどれもおすすめ。
桜庭一樹『私の男』
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タブーの恋愛小説です。理解不能。という意見も聞きます。
心が壊れてしまっている人のひとつの愛の形とでもいいましょうか。
時間の流れ方がとても良いです。
不快な話でありながら少し切ない話です。
イヤミスに慣れてきたら是非ご一読を。
アンデルセン童話
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これはミステリではないのですが・・・
子どもの頃に絵本などで読んだあの童話を、完全版で読んでみましょう。
童話は決して口あたりよい砂糖菓子のようなものではありません。
童話はおそろしく、おぞましい展開が多いんです。
読んだ後、考えてしまう話が多いのでおすすめです。
原文が読めれば尚いいですが、日本語にちゃんと訳してくれている、
完訳という本を選びましょう。文庫版でたくさん出ています。
後味が悪い本ばかり紹介してしまいました。
イヤミスが好きな人だけ読んでくださいね。
胸くその悪さはお墨付きなので。
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