私の入院の記録 -リハビリ病院編 その2-

 

 シンです。

本格的な夏到来、毎日暑い日が続いているお盆の大型連休前の今日この頃ですが、みなさん体調を崩さずに元気でお過ごしでしょうか。

さて、今回のブログは「リハビリ病院編 その2」と題してお送りします。今回はリハビリ病院で使用するリハビリ用の器具などについて書くことにします。しばらくおつきあいください。

歩行をサポートする装具について

○車椅子

私もまずはここからスタートしました。この病気になるまで、それまで一度も車椅子に乗ったこともなかった、いわば「にわか車椅子患者」の私ですが、操作については停車時に車輪が動かないように固定するハンドブレーキの操作以外は別に誰に教わることなく、普通に乗っていました。それまでにテレビのドラマや実生活の様々な場面で車椅子に乗っている人を見たことがあるからだと思います。

車椅子には昔ながらの重くて頑丈な金属製のものから、パラリンピックなどスポーツでも使用されるようなカーボンファーバー等の素材を使った軽量なものなど様々ありますが、一生車椅子で過ごす必要があるならともかく、リハビリの最初の通過点として考えると、車椅子での移動がうまくなるというのは目標にしなくてもよいとも言えます。よって私の場合は車椅子は全て病院の借り物で済ませました。車椅子の次の段階の装具が歩行器になります。歩行器を使用するようになって初めて、自力で歩く一歩を踏み出すことになります。

○歩行器

歩行器というと、みなさんがまず

思い浮かべるのは、円形で赤ちゃんが真ん中に入って前後左右に動ける器具かもしれません。しかし、リハビリ用の歩行器は円形ではなく、いわゆる蹄鉄のようなU字形です。U字の円が切れた部分に体を入れ、下側に4輪がついていて、上部のハンドルをつかむか、U字型のテーブルに手を乗せると軽い力で前に進むことができます。器具自体がかなりかさばるので使用しない時に置き場所を取るのが難点ですが、移動するときに荷物をハンドル等に引っ掛けておけるので、自分で背負ったりしなくて済むので楽ちんとも言えます。この歩行器も様々なものがありますが、これもあくまでもリハビリの通過点、これまた私は病院の借り物で済ませました。歩行器の次はいよいよ杖による歩行です。

○杖

杖と言えば一般に、高齢者の方も使用されている、手の部

分を握って身体を支えるものが馴染みがあると思いますが、ようやく歩行器を卒業したばかりのリハビリの中期の段階では、握力だけで身体を支えるのは困難なものです。そこで握力だけでなく、上腕部も利用して身体を支えることができる杖があります。これがロフストランド杖と呼ばれる杖です。杖には他に、足(脚)をけがや骨折した際に用いる松葉杖(まつばづえ)というのもありますが、これはあくまでけが(骨折)をしていないもう片方の足が正常に動くことが前提です。両脚とも正常に機能しない場合には役に立たないのです。

歩行器から杖に移行して初めて病院の外で歩行訓練ができるようになり、自分の脚で歩いているという実感がわいてきます。ロフストランド杖に慣れ、杖による歩行が安定していると診断されると、一般の握力のみで支える杖を使用することが認められます。ここまで装具は全て病院の借り物で済ませてきましたが、退院後もしばらくは杖を使用することが予想されるので、リハビリセンターの向かいのホームセンターで自分専用のものを購入しました。杖も素材により様々なものがありますが、一般的なアルミ製で3,000円台からあるようです。

結局、退院まで杖なしで歩くことはできず、退院後3週間ほどは坂道や長い距離歩く場合には杖が必要でしたが、それ以降は杖を使うこともなくなりました。意外に回復が早かったので、杖はそれ以降無用の長物となってしまった感はありますが、一生の思い出として保管しておこうと思っています。

リハビリに用いるトレーニング器具について

○ERGOMETER(エルゴメーター)

エルゴメーターとは、スポー

ツを実際に行っているのと似た条件の負荷をかけて、運動者の体力測定やトレーニングを行う器具で、自転車のペダル踏み運動器などを言います。エアロバイクとも呼ばれますが、これは登録商標です。スポーツジムなどで必ずと言っていいほど備えられている室内で自転車をこぐトレーニング用のマシンだと言った方がわかりやすいかも知れません。

私がAリハビリ病院でこの自転車の器械を初めて使用した時は、負荷が非常に軽い設定(レベル5)で5分位こぐのがやっとでしたが、前回の私のブログでもお話ししたように、入院後しばらくすると、リハビリの空き時間に自主トレとしてこの器械を使用してトレーニングをするようになったので、退院前にはかなり負荷が大きな設定(レベル10)で10分位から最長20分位はこげるようになりました。さらに負荷を大きくすることも可能ですが、スポーツ選手を目指すわけではないので、そこまでする必要もないでしょう。

この器械の長所は、実際の自転車と違って、雨や雪など外の天候に左右されず、いつでもトレーニングできることです。退院する直前、病院の向かいのホームセンターに似たような器械が売られていて、病院に備えられているものには機能・性能的には到底及ばないにしろ、値段もそれほど高くなかったので、退院後、自宅で使用するのにほしいと思ったものですが、残念ながら今住んでいる家にそれを置いておくスペースは到底ないので、諦めざるをえませんでした。

○NUステップ

これ

は商標名なのだと思いますが、簡単に言えば、椅子に座り負荷をかけて左右の足踏みをして脚の筋力を鍛える器械です。脚を回転させる運動の自転車をこぐ器械と違って、足を踏み込む時、戻す時、共に力がいるので、最初は自転車よりもハードルが高い運動器具です。この器械では自転車の器械ほどには劇的に負荷を上げることはできませんでしたが、それでも最初の頃5分がやっとだったものが、連続で15分位はできるようになりました。
この器械も自転車の器械と一緒に主に自主トレでお世話になった器械です。リハビリの後半になってくると、自転車の器械を15分こいだ後に、このNUステップを15分続けてこぐといったこともよくありました。今から思えば、運動が苦手な私がよくそこまでやったと思うことしきりです。

○LEG PRESS(レッグプレス)

これも恐らく商標名だと思いますが、腕の代わりに、膝から下の脚を使って重りを上げたり下ろしたりするという、ある意味単純なトレーニング器具ですが、何しろ脚の力がいるので、脚の力が弱っている患者にとっては、それほど何度も長い時間のトレーニングするのは無理があります。そういうわけで、あまり私も頻繁に使用することはなかったのですが、退院も間近になった頃、突然「使用中止」の張り紙がされて全く使用できなくなってしまいました。何に問題があってそうなったのか、事故でもあってリコールでも発表されたからなのか、私にはわからずじまいでした。

○Alter G (反重力トレッドミル)

Alter Gというのは商標と思われま

す。トレッドミルというのはベルトコンベア状の踏み台をモーターの力で動かし、速度が調節できるようになっている器械で、俗にルームランナー、ランニングマシン、ジョギングマシンとも呼ばれています。

私が入院していたAリハビリ病院の目玉と言うべきリハビリ用の器具がこのAlter G (反重力トレッドミル)といういわばハイテクのトレッドミルです。何でもNASAで開発された技術が使われているそうで、最大の特徴は空気圧によって体重を最大20%にまで軽くした状態で歩いたり走ったりすることができ、膝にかかる負担を大幅に軽減してトレーニングできるというのがセールスポイントです。

私も一度だけ使う機会がありましたが、使うには準備がかなり面倒です。まず身体に合わせた専用のズボンのようなスーツを身に着けます。そのズボン状のスーツを器械に固定して空気圧やベルトコンベアのスピードや傾斜角度を理学療法士の方が調整し、使用する人に合った設定にしてやるのですが、なかなかぴったりした設定にならない感じがしました。膝の疾患等で脚に体重のかかるトレーニングが難しいという人にはいいのかも知れませんが、私にとっては普通に歩く練習をしたほうがよほどいいのではないかという印象しかありません。

聞くところによれば、一台1,000万円を超える値段で、西日本にもまだ数台しか導入されていない器械だそうです。しかし、この値段に見合ったリハビリ効果があるのか、私には疑問に思えました。

おわりに

今回は、リハビリ病院で使用するリハビリ用の器具をご紹介しましたが、いかがでしたか。これ以降の「私の病院の記録」の構成については、まだ固まっていませんが、また近いうちに書こうと思っています。では今回はこの辺で。

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