シンです。梅雨真っ只中ですっきりしない天気が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今月のブログはテーマ月ということで、「広島のオススメ観光、遊び場スポット」のご紹介ということでしたが、あいにくと私は人混みが嫌いで、日常の買い物以外の用でどこかに出かけるということもほとんどないので、このテーマは正直一番苦手としているのですが、それでもあえてオススメ観光を挙げるとすれば、県内の方には月並み過ぎて申し訳ないのですが、広島県の2つの文化遺産を挙げないわけにはいかないでしょう。
全国的に見ても、一つの県で複数の文化遺産(ただし1つは「負の」世界遺産ですが)を有する県というのは今のところ三つの文化遺産を有している奈良県以外には広島県だけのようです。文化遺産に指定されたのも、二つの文化遺産とも1996年12月とかなり早い方で、これは他県に自慢していいのではないかと思います。
そんなわけで、この2つの文化遺産にまつわる、私の思い出について述べてみたいと思います。
1.原爆ドーム -負の世界遺産-
1945年8月6日、広島に原爆が落とされた日であるこの日に、毎年のようにこの原爆ドームのある平和公園で慰霊祭が行われます。
平和公園の一角にある原爆資料館は、私が最後に行ったのは小学校か中学校の社会見学の時だったと思いますが、あの頃とは展示内容も様変わりしていることでしょう。
つい先月、フラワーフェスティバルの出展で久しぶりに平和公園に行く機会がありましたが、改めて市内の中心部にこういった文化遺産があるというのは全国的に見てもまれなのではないかと思いました。
しかし、原爆ドームも戦後70年を迎え、建物の劣化が年々すすんでいるので、これから建物の保存にますます費用と手間がかかるようになってきており、これが広島市の財政を圧迫しているのも否定できないでしょう。文化遺産の保護と市政の負担の軽減という相反する問題をどう解決していくのかが今後の課題だと思われます。
2.厳島神社 -宮島の思い出-
松島・天橋立とならび、日本三景のひとつとして知られる宮島(「厳島」(いつくしま)と同義)ですが、長らく廿日市に住んでいる私にとって、宮島というのは小学校・中学校の遠足でことあるごとに何度も行っていて、文化遺産のありがたみはあまり感じないと言うと怒られそうですが、それが本音です。
私が宮島と聞いてまず思い浮かべるのが、鹿、もみじ饅頭(そういえばGulaさんの記事で食べ比べの記事がありましたね。)、しゃもじといったところですが、中でも鹿については、遠足で昼に弁当を広げていると、寄ってきて食べようとするのには困った思い出があります。私ではありませんが、鹿に弁当を取られて泣いている生徒もいた気がします。この鹿、遠くで見ている分には可愛いのですが、毎日のように人間を見慣れているせいで人間に対する恐怖心が全くなく、誰かが弁当の残りを与えて味をしめたようで、人が食べている弁当まで奪おうという始末です。「鹿に食べ物を与えないでください」という注意書きがあちこちに見られますが、もはや手遅れといった状態でした。
シカの生息数増加に伴い、餌の不足から島内で様々な被害が報告されるようになりました。2000年前後には「植物の樹皮や新芽がシカにかじられる」「雄のシカが樹齢の若い樹で角をとぐために枯死する」といった被害が主でしたが、やがてシカが観光客の持っている飲食物を狙って観光客がケガをするなどの被害が報じられたため、観光客や住民からの苦情を受けて、地元廿日市市は2008年9月にシカを野生状態に戻すために餌やりを禁止するとともに栄養状態の悪いシカを保護・手当てした後に山に帰すなどの管理を実施しました。
この管理対策により、2012年8月までに宮島島内の市街地沿岸でシカが半減し、餌やり禁止により生息地を分散させる取り組みに一定の成果が出ているとされています。
この対策についてはマスコミで取り上げられたこともあって、全国から意見が寄せられています。広島県に寄せられた意見では「シカが餌やり禁止で餓死に追いやられている。虐待されている」「餌やりを禁止し野生に返すのであれば、芝生の造成などにより餌を確保すべきである。山にはシカの餌となる植物が生えていない」「シカの個体数を調整するために、避妊手術で計画的に減少させるべきである」といったものが主な意見だそうです。
歴史的に、厳島のシカは神の使いとして神聖視されていたようですが、第二次世界大戦後に厳島を接収したGHQの兵士がハンティングの対象として撃っていたために激減したと言われます。現在島にいるシカは、GHQ撤退後に奈良公園から人為的に6頭移入されたものの子孫が含まれているそうです。
それから宮島には弥山(みせん)という標高535メートルほどの山がありますが、もうかれこれ10年以上前のことだと思いますが、会社の何人かとこの山に登ったことがあります。
日頃運動をしていないこともあって、最初の頃は苦しくて、他の人について登るのがやっとというありさまでしたが、終盤になると不思議と身体が慣れてきたのか、気がつくと2番目に頂上に着いていました。これが俗に言う「クライマーズ・ハイ」という状態に近いものだったのではないかと後で思いました。クライマーズ・ハイとは、登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のことである(WikiPediaより)、とされています。登山をして行くうちに、登山のこと以外のことを忘れ、登山に没頭し、身体の疲れも忘れて、それこそ無我夢中で登り、気がついてみると頂上であったという感じでしょうか。それ以来登山をしたことがないので、こういった感覚を味わったのは後にも先にもこの時だけです。
終わりに
文化遺産登録についてはマスコミなどに取り上げれることも多く、登録直後は観光客も増え、いいことずくめのように感じがちですが、その文化遺産を維持していくのはとても大変なことだと思います。原爆ドームの保存しかり、厳島神社の維持管理しかりです。
聞くところでは宮島もかつては宮島競艇によって観光以外に大きな収入を得ていた時代もあったようですが、今やそれはあてにできず、観光収入に頼るのみとなっているようです。文化遺産登録の利点ばかりが強調されがちですが、文化遺産を維持するには相当の労力と費用がかかるということも忘れてはいけないと思います。
ともあれ、まだこの広島県の2つの文化遺産を自分の目で見たことがないという人や、昔見たけれど長らく見ていないという人も、改めてこの文化遺産を見直してみるのもいいかも知れません。
何だかまとまりのない記事になりましたが、今回はこの辺で。
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