どうも、よっさんです。
“日常生活では全く使わない、知っていても何の役にも立たない”印刷業界の専門用語を不定期でご紹介する本シリーズ。ちょいとご無沙汰していましたが、コーナー熱望の声に押されて(←押してない押してない)第4弾の登場です。
今回は、印刷業界の人間なら1日1回は使っている(…に違いない)のに、それ以外の人はまず使うことがないと思われる用語「ノンブル」です。
ノンブルとは、本のページを表す数字、いわゆるページ番号のことです。なら誰にでもわかりやすく「ページ番号」と言えばいいのでしょうが、何でも難しそうに言い換えるのが業界用語!(←いや、多分違う…) これは、フランス語のnombre(数)に由来しています(…が、なぜフランス語が語源になったのかは謎なんだとか)。
「ノンブル」の意味だけなら以上でおしまいですが、このノンブルにはいろいろな形や入れ方、数え方(私たちはこれらをまとめて「ノンブルのふり方」と言っています)のパターンがあるのにお気づきでしょうか?
いろいろな形があります
ニシキプリントでは報告書や資料など「お堅い」本を作ることが多いですが、それらに入れるノンブルでよく使うのが -1- のような数字と棒を組み合わせたものです。これをひげつきノンブルと呼んでいます。本によっては、棒がなく数字のみのひげなしノンブルや、少数派ですが片方だけ棒のついた片ひげノンブルもあります。デザイン性の高い本であれば、もちろんノンブルだっておしゃれになっちゃいます。
※冒頭のひげ画像は、「ひげつきノンブル」からのこじつけでした(汗)
入れる場所もいろいろです
ノンブルを入れる場所は、ページ下(=地(ち)あるいは罫下(けした))の真ん中(=センター)や地のページを開く側(=(前)小口)が多いです。ニシキプリントで作る「お堅い」本では前者が、文庫本などでは後者が多いですね。もちろんこれらに限らず、ページ上(=天)の小口、小口のセンター…本によっていろんな場所に入っています。
数え方…ただカウントするだけではなく…
全ページに順番に数字を入れる方法を通しノンブルと呼んでいます。単行本など、内容が一続きになっている本でよく見られます。
一方で、内容のまとまりごと(章や節ごとなど)に区切り再び1からノンブルを入れる方法もあります。これを別ノンブルと呼んでいます。取扱説明書などに多く、「1、2、3……」といった単独の数字のこともあれば「1-1、1-2、1-3、……2-1、2-2……」といった枝番号で入れることもあります。
また、ノンブルが飛び飛びになっていることもあります。これは隠しノンブルといって、ページ番号としては数えるがノンブルとしては入れないので、見た目にはノンブルが抜けているように見えます。漫画や雑誌などビジュアル性の高い出版物でノンブルを入れるべき場所に絵柄があって入れられない、あるいは印刷のない白いページや見出しページなどによく使われる方法です。
単行本、雑誌、カタログ……本にも実にさまざまな種類・用途がありますが、それらをよく見てみると、その本の性格に合ったノンブルがひっそりとたたずんでいる、はずです。たかがノンブル、されどノンブル。ちょっと注目してみると面白いですよ!
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