シンです。年度末の繁忙期が過ぎ、桜の季節も終わりつつあるこの頃、来月の大型連休、ゴールデン・ウィークに向けて色々過ごし方を考えられている方も多いことでしょう。
私はと言えば、この連休前のこの時期は決まってオンデマンド出力の大きな仕事があり、年度末が終わって息つく暇もなく、オンデマンド出力作業に追われる毎日です。
そのせいばかりでもありませんが、つい先日のWindowsXPのサポート終了までに新しいパソコンへの完全移行を完了するという目標は残念ながら達成することができませんでした。自分のブログでも以前からこの問題を取り上げておきながら、まことに残念な結果になってしまいました。ということで、もうXPからの移行が済んだという方には、ここから先の内容はあまり興味がないかも知れませんが、万一まだ移行が済んでいないという方がいらっしゃいましたら、どうかこの先の記事を読んでやってください。何かのお役に立つかも知れません。
1.XPのサポート終了に伴うリスクおよび問題
以前、私のブログでWindowsXPのサポート終了について取り上げた際にも掲げましたが、サポート終了に伴って発生するリスクや問題には次のようなものが挙げられます。
(1) XPのサポート終了と同時にセキュリティソフトのサポートもなくなってしまうため、パソコンがウイルスにきわめて感染しやすくなる。
(2) パソコンのセキュリティが脆弱(ぜいじゃく)になり、パソコンからの情報が漏洩(ろうえい)しやすくなる。
(3) 自分でも気付かないうちにウィルスに感染し、ネット犯罪の踏み台にされ、ネット犯罪の加害者となる恐れがある。
(4) XPのサポート終了と同時にMicrosoft Office 2003のサポートも終了するので、Office 2003形式の文書もウイルスに対して脆弱となり、そのままOffice 2003形式の文書を使い続けると、ウイルスの温床となりかねない。
(1)についてはMicrosoftのセキュリティソフト(Microsoft Security Essentialなど)はOSのサポート終了と同時にサポート終了、その他低価格なセキュリティソフトなどは軒並みこれにならってサポート終了となるものが多い中で、中にはXPのサポートを継続することを表明しているセキュリティソフトも少数ながらあります。
弊社で導入している「NOD Antivirus 32」というソフトもその一つで、私が確認した時点では2017年くらいまでXPのサポートを継続する予定とホームページに記載がありました。さすがに2017年までXPを使い続けようという人はほとんどいないでしょうが、これも自社の製品に対する自信の表れとも受け取れます。MicrosoftもOS移行の完全完了まで、せめて1年くらいはセキュリティソフトのサポートを続けて欲しかった気がします。
ただし、ウイルスソフトはOSの不具合までは面倒を見てくれないので、OSの脆弱性を狙ったウィルスが入り込み、それに感染してしまう可能性はありますから、過信は禁物といったところでしょうか。ともあれ、OSの移行にもうしばらくかかるという人は、とりあえずXPをまだサポートしているセキュリティソフトを入れておけば、すぐにウイルスに感染してしまう可能性は低いのではないかと思います。
(2)を防ぐには、「インターネットやネットワークにつながない」ことに越したことはないのですが、そうなるとパソコンの利便性は恐ろしく低下し、パソコンを使うたびにストレスがたまってしまいます。自分がこれまで常日頃利用してきて、安全性に問題がないと確信が持てるサイトにアクセスするくらいはいいと思いますが、くれぐれも安全性が未知のサイトなどにはアクセスしないよう、気をつけるしかありません。
(3)については、一度セキュリティソフトを使ってパソコンのハードディスクを全スキャンしてみることです。その結果、ウイルス感染の痕跡が山のように出てくるようなパソコンは、そのまま継続して使用するのは危険なので、リカバリーして新品時の状態に戻すか、ハードディスクを必ず専用のソフトで復元不可能な状態にフォーマット(単純にフォーマットしただけでは第3者にハードディスクの情報を復元されてしまう可能性があるので)してパソコンを処分してしまうのがよいでしょう。
(4)はちょっと難しい問題です。これまで弊社ではMicrosoft Word形式のデータをお客様に納品する際には、永らくWord2003の形式「*.doc」(*は任意のファイル名)でデータを納品してきました。それはこの形式であれば、Wordのどのバージョンでもとりあえず開ける(ただし、Wordの上位のバージョンで固有のレイアウト機能等を使用した文書は、古いバージョンで開いた時にその機能が失われてレイアウトの一部が変わったりする可能性があります)から一番都合がよかったからです。
しかし、Word2003のサポートが終了し、Word2003までのファイル形式の脆弱性を狙ったウイルスなどが登場する可能性があるとすれば、どこかでWordの新しいファイル形式「*.docx」(*は任意のファイル名)に切り替える必要が出てきます。問題はその切り替えをいつにするかのタイミングだと思います。お客様から納品するWordのバージョンの指示がない場合は、どちらの形式(「*.doc」か「*.docx」か)で納品するのか、当面は個別で確認していくほかなさそうです。
2.Windows XPをこれからも使い続けるには?
何が何でもこれからもWindows XPを使い続ける必要がある、という人がこの世にどれだけいるのかわかりませんが、私が知る限り、次のような選択肢があると思います。
(1) 仮想環境でXPを使用
私は全く「仮想環境」については詳しくないので、簡単に言うと、Microsoftのサポートが継続中のOS(Windows7または8)の中に仮想環境を作り、その中でXPを動作させる方法。要はセキュリティに問題のないOS上でWindows XPを動かすことにより、XPのセキュリティの脆弱性の問題をキャンセルしてしまうという考え方です。
また、最新の「仮想化」技術に疎い私には断言は出来かねますが、過去の例から言えば、仮想化というのはどうしても単体で動作させるよりも動作が遅くなりがちで、仮に高性能なパソコンでXPの仮想環境を作ったとしても、初級クラスの性能のパソコンにXPを単体でインストールした場合に比べて大差ないという結果になることが多いのが通例で、それでもかまわないという方にしかおすすめできませんし、何よりパソコンに関してかなりの知識がなければ仮想環境を自分で作るのは敷居がかなり高く、難しいでしょう。しかし、最近ではバックアップソフトの中には、こういった仮想環境用にOSをバックアップするという機能を持ったものもあるようです。
(2) ハードディスクを半ROM化し、ウイルスの実行ファイル等の書き込みを防止
一体何のことやらと思われるかも知れませんが、そういう機能を持ったソフトがあるので、それをインストールするだけでOKなのです。その名も「XP Forever」!!(「XPよ永遠に」って何だか映画のタイトルのようですが)
このソフトをインストールすると、ウイルスの実行ファイルになる可能性のある、「*.exe、*.com、*.cmd、*.dll、*.sys、*.cpl」(*は任意のファイル名)といった拡張子を持つファイルがハードディスクへの書き込みが出来なくなり、それ以外のファイルの書き込みは、これまで通りOKとなり、ハードディスクが半ROM化され、ウイルスの感染が防止されるというものです。
以下にこのソフトの機能を抜粋してみます。(電机本舗のHP(http://dnki.co.jp)より一部抜粋)
XPフォーエバーは3つの基本機能で永久作動型のセキュリティを提供します。
その① DEPの100%稼動
Windowsは工場出荷状態でDEPというセキュリティ機能が100%ONになっていません。半開状態となっています。これを100%完全作動させます。DEPはXP Service Pack 2から使用できます。
その② ハードディスクへのプログラムの書き込み禁止
次に、ハードディスクへのプログラムの書き込みを禁止します。
ウィルスと言ってもプログラムです。ディスクに書き込みがなければ電源OFFと共にメモリ上のウィルスは消えます。
その③ USBからのプログラム読み込み防止
USB経由のウィルス対策として、USBからのプログラム読み込み防止機能、実行防止機能を備えます。
これらの機能によりサポートの切れたWindows XPにメンテナンス不要の永久型のセキュリティを提供します。
このソフトをメールで知り、これは良さそうだと思い、値段も安かったので買って、XPのサポートが切れる直前に入れてみました。しかし、AdobeのAcrobat Professionalで、パソコンが変わったので認証をし直すようにという旨のメッセージが出たり、他のソフトのアップデートも出来なくなるなど、不都合があったので、やむなくアンインストールしてしまいました。
あとで調べると、設定で半ROM化を一時的に解除すればいいらしいということがわかりましたが、その度に設定を変えるのは煩わしいので、できれば、セキュリティソフトでよくあるように、その都度、ファイルのインストールを許可するか確認するメッセージが出るようにしてくれればいいのにと残念に思いました。
終わりに
以上、何かお役に立てる内容がありましたか?。ただし、お断りしておきますが、以上で紹介したアプリ等は具体例を示すために挙げただけで、そのアプリを推奨するような意図はありません。また、上に挙げたXPの延命方法を取ったとしてもウイルスに感染する可能性がないわけではありませんので、それによってウイルスに感染しても責任は負いかねます。あくまでも自己責任でお願いします。では今回はこの辺で。
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