こんにちは、シンです。
季節の移り変わりは早いもので、気がつけばサクラの季節は終わり、あとはゴールデン・ウィークが待ち遠しいといったところでしょうか。
さて、今回のブログのテーマは、弊社に2月に導入された新しいモノクロ複合機の新機能のご紹介です。導入されて2か月ほど経ち、ようやく以前の機械との操作の違いにも戸惑うこともなく慣れてきたところでもあり、ちょうどいい頃合でしょう。おあつらえ向きに、ちょうど私が現在仕掛り中の大部数の複合機出力の仕事があるので、その仕事を出力する工程に沿ってご紹介して行きましょう。
1.出力枚数17.5万枚の大出力!
この仕事、年に1~2度入ってくる土木関係のマニュアルの出力です。今回は全部で6種類あり、トータルの出力枚数はなんと175,000枚という膨大な量です。使用するコピー用紙は500枚入りの包みが5個入りの箱が70箱分にもなります。調べて見ると、昨年のこの時期のブログでも、この仕事のことを記事にしていますが、前回の用紙の使用量は30箱分なので、昨年の倍以上の量となっています。まさに、新しい複合機の真価を問うにふさわしい仕事と言えるでしょう。
2.ジョブの設定保存機能
まずは複合機へマニュアルのデータを送ってやる必要があります。(この複合機にデータを送信する案件を以下「ジョブ」と呼ぶことにします。)ページの一番多いもので1,300ページにもなりますから、データを送るのもなかなか容易ではありません。以前の機械ではこれほどのページだと、時間が15分以上もかかった上に、データの重さのために機械がフリーズしてしまうということが頻発していましたが、新しい機械では約10分くらいで無事送信終了しました。これは新機能とは言えませんが、やはり複合機の処理能力の向上により、作業効率は圧倒的によくなりました。
この仕事で一つのポイントとなるのが、表紙および章の扉を色紙にする必要があるということです。もちろん以前の複合機からそういった機能はありましたが、問題はデータを送って出力チェックをした結果、扉部分のページ設定に誤りがあった場合です。以前の複合機ではそういった場合、扉の設定を最初から全部やり直す必要がありました。扉が数箇所しかないようなものならさほどのこともありませんが、今回のようなマニュアルでは、多いもので20箇所以上も扉があるものもあり、大変な作業となっていました。
それが新しい複合機では、各ジョブごとの印刷設定を保存しておく機能(これは機械自体というよりもプリンタドライバの機能ですが)ができたので、一度設定を保存しておきさえすれば、後からその設定を再び呼び出し、誤りのある部分のみ訂正してデータを送信してやればOKです。この印刷設定は扉の設定のみならず、用紙のサイズ、使用する複合機の用紙トレイなど印刷の設定全般を保存しておけるので、正しい設定を保存しておきさえすれば、しばらく後にリピートで同じものを出力したい時にもすぐに設定を呼び出して送信してやるだけで済みます。
3.出力ジョブの保留機能
複合機の本体にジョブを送信したら、いよいよ出力となるわけですが、ここでも以前の複合機にはなかった新しい機能が役に立っています。ジョブを選んでプリント命令を出すと、複合機が本体のハードディスクに保存されたジョブを読み出し、プリントするのですが、この際、読み出しはページ単位で行われます。つまり1,300ページあれば1ページ目から順に1,300ページまでを読み出した後にプリントが開始されるわけです。読み出しは高速に行われるとはいえ、プリント命令を送るたびに読み出しの待ち時間が発生するのは、正直辛いものがあります。これは複合機の仕様のようで、以前の複合機も新しい複合機もこの点では一緒ですが、新しい複合機にはジョブの出力を保留するという機能がつきました。
これが何に役立つかと言えば、1,300ページのマニュアルを出力する場合、複合機の用紙トレイに積める最大の用紙枚数が約2,000枚であるため、3部出すと用紙をほぼ使い切ることになります。そこで3部毎に用紙の補給をする必要があるので、ジョブを3部毎に小分けにして送る方が、まとめて数十部一度に送ってしまうよりも都合がよいように思われます。しかし、ここで問題になるのが先ほどのデータの読み出しにかかる時間。このためにプリント命令を小分けにすればするほど読み出しにかかる時間がかさんでしまい、効率が悪くなってしまいます。
しかし、複合機が出力中に、3部毎のジョブをあらかじめ複数回まとめて読み出し、それらを保留にしておけば、一回の出力が終わって用紙補給をした後で保留中のジョブを一つずつ保留解除して行くと、それはもうページの読み出しが済んだ状態なので、すぐに出力が開始され、ジョブを小分けにしても、待ち時間が増えることがなくなります。
4.印刷停止機能
以前の複合機で出力途中に出力を止めると、1部の途中で止まったり、1部を越えて次の1部の最初が出たところで止まったりと、ちょうど1部分の切りのよいところで止めるということはできませんでした。しかし、新しい複合機には、「停止ボタン」があり、これを押すと、1部がちょうど出終わったところで止めてくれるので、出力を途中で止めても用紙を無駄にすることがなくなりました。どちらかと言えばささやかな追加機能ですが、実際の出力をする際には排紙トレイにたまった出力を出力の途中で取る際に押すことによって切りのよいところで止めて取るなど、結構役に立っている機能です。
5.紙揃え機構
これは新しい複合機になって初めて付いた機構で、排紙する際に、用紙の上下をプラスチック製の小さなパッドで上下に軽く叩くことによって紙を揃えるというものですが、たった1枚出力する時にも、カシャン、カシャンと音を立てるので、正直普段はあまりありがたみも感じず、かえって煩わしく思うことの方が多いものでした。
しかし、1,300ページのマニュアル出力となると話が違ってきます。1部が厚さ約5センチにもなる出力を人の手でさばいて揃えるのは大変な作業ですし、人の手でさばくということは出力の汚れやしわにつながるリスクのある作業でもあります。このため、以前は製本用の「紙揃え機」(スイッチを入れると振動するので、通称「ブルブル」と社内では呼ばれています。)という、振動とエアーで紙を揃える機械を使って揃えていましたが、普段は東工場にある機械をその度に借り、終わったらまた返すという手間も煩雑なうえ、出力中は複合機から離れられないため、出力を揃えるのはどうしてもその日の最後にまとめてということになるため、それだけ余計な時間がかかっていました。
それが新しい複合機の紙揃え機構により、出力されたものが手で軽く揃えてやるだけで揃うようになったため、わざわざ紙揃え機を東工場から借りて返すといった手間もなくなり、大助かりです。このため、以前は出力後まとめて紙揃え機で揃えて慎重に結束するという作業をしていましたが、今回から出力された端から包装することにしました。包装するのは手間といえば手間ですが、この方が複合機から離れずに出力の合間にできるし、出力されたものを置く場所にも困らないので都合がよいのです。
この仕事をするまでは、大してありがたみを感じなかったこの紙揃え機構ですが、今ではこの機構を考えた方の着眼点の素晴らしさに敬服しています。もしそのアイデアを出した方にお会いできるのなら、ぜひお会いしてお礼がしたいと思うほどです(笑)。
おわりに
以上、まだ私が新しい複合機を完全に使いこなしているとは言いがたいため、全ての機能をご紹介したわけではありませんが、新しい複合機の機能の数々、いかがでしたでしょうか。ただ、新しい複合機が、以前の複合機にかなわないと思うこともあります。
それは以前の複合機に比べて、トナーの消費が多いということです。以前はこういった大部の出力の際、せいぜい予備のトナーは2本もあればよく、全部の出力が終わるまでに途中で一度補給すればいいという感じでしたが、この複合機になってからは普段からトナーの補給が以前の複合機よりも頻繁に必要になったと感じています。以前の複合機では、普段はトナーの補給は、前回はいつ変えたかな、という程度だったのに、この複合機になってからこの2カ月ほどでトナーは少なくとも4回位補給しています。
したがって、現在仕掛り中のこの大部の出力は、まだ全体の3分の1を越えたところですが、すでに一度補給しているため、この調子だとあと2回は補給が必要ではないかと見込んでいます。ただ、トナーの補給の問題については、新しい複合機が導入されて間もなく気づいたことでもあり、今回の仕事を始めるにあたっては事前に多めにトナーを注文しておいたので、問題は補給の手間だけと言えますが。
いずれにせよ、この仕掛り中の出力はまだあと3日ほど朝から晩まで出力しっ放しという状態が続きますので、くれぐれも途中で複合機が不調にならないことを祈っているところです。では今回はこの辺で。
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