謎の暗号!?書籍JANコード

どうも、よっさんです。

お店で物を買ったとき、レジで「ピッ」は今や当たり前。
この「ピッ」を可能にしているのが、商品に印刷されているバーコード。
中でも書籍に印刷されているバーコードは「書籍JANコード」と呼ばれ、
一般消費財に使われるJAN(=Japanese Article Number)コードとは
体系が異なります。
今回は、この書籍JANコードについてのお話です。

書籍JANコードは、「日本図書コード」の文字情報を
2段のバーコードシンボルで表現したものです。
下図で言えば
が「書籍JANコード」
が「日本図書コード」
になります。

書籍JANコードを理解するには、
まず日本図書コードを理解しなければなりません。

日本図書コードは、
ISBNコード・分類コード・価格コードという
3つのコードを合わせたものです。
※今回の例は2行で表示しているものです。

上段のが「ISBNコード」です。
ISBN978は、
国際標準コードInternational Standard Book Number)
「BOOKS(書籍・図書)」を定義する接頭数字(記号)です。
その後に続く数字(上では4)は
書籍の発行者が属する国・地域を表しています。
(「4」は日本国内で発行する書籍に付けられる記号です。)
続く2~7桁(上では123456)の数字は出版社コードと呼ばれ、
各出版社の規模によって桁数が決まっています。
続く1~6桁(上では78)の数字は書籍コードで、
出版社の責任において書籍のタイトルごとに付けられる番号です。

※ISBNコード最後尾の数字(の例では0)は
「チェックデジット」と呼ばれ、
コード数列の誤りを検出し捏造を防止するために付けられている
重要な数字です。

下段のは「C」以下4桁の「分類コード」と
「¥」以下の「税抜き本体価格」です。
「分類コード」は日本独自の図書分類で、
対象とする読者や発売形態、書籍の内容によって
それぞれ決められています。

以前はOCRフォントと呼ばれる読み取り専用書体で
印刷することが決められていましたが、
現在は書体の規定がなくなり、
上図とは違った形のものも多く見かけるようになりました。

左側の書籍JANコードは、
日本図書コードの情報を2段のバーコードで表示したもので、
POSシステムなどの自動読み取り装置で情報を収集することができます。
上段の冒頭978と下段の冒頭192
このバーコードが書籍JANコードのものであることを表しています。

現在、書籍へのバーコード表示率は
新刊ではほぼ100%に達しており、
出版取次会社と書店などの流通において
書籍JANコードは欠かせない存在になっています。
インターネットを通して販売する場合でも
表記を求められることがあります。
電子書籍の場合、書籍JANコードは不要ですが、
ISBNコードを付与することはできます。

出版取次会社では、新刊の送品や注文・返品処理の際に
書籍JANコードの自動読み取りを行っており、
物流のスピードアップとコスト削減に貢献しています。
また書店では、
レジのPOSシステムや返品処理、棚卸し業務等に活用され、
在庫情報の管理に役立っています。

出版取次会社を介さない自費出版本などには
書籍JANコードを入れませんが、
暗号のようなこれら一つひとつのコードが
本の世界では大変重要な役割を担っているのです。

詳しくはこちら
一般財団法人流通システム開発センター
日本図書コード管理センター

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