page2012に参加して電子書籍の今後を少し考えてみました

電子書籍の今後

皆さんお疲れ様です。よんです。

少し間が開いてしまいましたけど、先日行ったpage2012のまとめ、雑感と言ったほうがいいかもしれません。それを書いてみたいと思います。

今回のpage2012は、ほぼ電子書籍の話をメインに聞いて回りました。基調講演やセミナーもそうですが、ブースも電子書籍を展開されているところを主にのぞいてみました。

昨年までは「電子書籍」というと否定的な意見がけっこうありました。これはちょうど昨年の話です。日本は著作権や出版形態の問題で電子書籍化というのはなかなか難しいものがあり、電子化するために契約を新しくする必要があったり、電子化したら安くしないといけない雰囲気があるから儲からないとか、セキュリティの問題とか・・・その他もろもろ。(実際に今もその問題があります)

ですが、基調講演などの話を聞いていると昨年まであったその否定的な話は今年は一切聞きませんでした。特に基調講演で話を聞いた講談社さんが積極的に動いているようなことを言われていたのが驚きです。前回の記事でも書きましたが、講談社さんは現在、電子書籍を本格的に事業展開するために組織の体制から見直し、改革を進めているということです。電子書籍の事業案を作っていたら、いつの間にか組織改革案になっていたというのが印象的でした。そこは今までのように紙媒体だけではなくなるのでそうなるのは必然なのでしょう。

問題は山積みのようですが、大手出版社がそのように動いているということは・・・。

そして今回の基調講演でもっとも特筆すべきは、電子化することで、既存の紙のほうも売り上げが伸びたという調査結果が出ているということです。え?と思いましたが、どうやら紙の本に興味がなかったユーザーが電子書籍を呼んで本に興味を持ち、紙の本も購入しているという話でした。

確かに考えてみれば紙の本と電子書籍、二つは同じ内容のものですが、別のコンテンツという見方が出来るかもしれません。こうなればYahoo!JAPANさんが言っていた他メディア展開、漫画・映画・音楽のように「電子書籍」は新しいメディア、入り口のひとつとして扱われるのではないか?と、感じました。

個人的に本というのは「探す」「読む」「集める」楽しみがあると思っています。形のあるものを手元に持っておきたいというのは心理のひとつですよね。ということは電子化することで紙の本が売れなくなるという話ではないんですね。そうなるのはおそらくもっと先の話なのでしょう。まさしく次世代の話です。

今の電子書籍の段階は、いかに売る・儲ける、を考えるのではなく(もちろん収益化は必要なことですが)いかに広めるかに注目する必要があるのではないかと思います。これはTSUTAYAさんも言われていたことですが、「とりあえず電子書籍は今は無料でもいい。」という話です。まずは一般の方には電子書籍に慣れてもらおうというのが当面の目的という話でした。紙の本を買ってくれた方には電子書籍はプレゼントという話をされていましたので、近々そういうサービスを展開されるのかもしれません。

私も最近は電子書籍を読むようにしています。手持ちのスマートフォン(iPhone)で読んでいます。いやはや、最初はうーんなんか読みにくいな〜どうなんだろ〜と感じていたのが、最近は…電子書籍スゲー便利!!に変わってきました(笑)

というのも私のスタイルに合っているように感じます。本は好き。でも家に置くスペースがあまりない。持ち歩くのにかさばる。子供が生まれて自分の時間が圧迫。書店に行って本を漁る時間があまりない。本を読みたいときに読めないストレス。という問題で最近あまり本を読む時間がなかったのですが、電子書籍にしてからは、いつでもどこでも買える。かさばらない。ちょっとした時間でもスマフォを手に取って瞬時に続きを読める。電車乗ってつり革持ってても片手親指一本で読める。というわけで電子書籍サイコー!!となった訳です。

紙の本じゃなければ駄目とか、本を買ってコレクションしないと気がすまないというこだわりのある方はなかなか難しいかもしれませんが、私はそれほどこだわりがある訳ではないので上記のスタイルで本が読めるというのは非常に喜ばしいことです。何より便利なんですね。スマフォのバッテリーの問題や容量の問題もあるかもしれませんが、私はあまりバッテリー不足で悩んだことはありません。それに今後は媒体のそういった問題は携帯キャリアが頑張ってくれているので、どんどん解消されていくのではないかと思います。

というわけで、今の電子書籍の課題はいかに電子書籍の魅力を皆に知ってもらうか、伝えていくかということが課題になるのではないかと思います。利益云々よりもまずはどうやって市場に広めるか。そのためにはフォーマットの統一や販売場所の明確化、コンテンツの充実化など、いろいろありますが、これは企業が頑張っていく必要がありそうです。個人的には独自フォーマットやセキュリティでガチガチに固めたり、というようなところの電子書籍は買いたいとは思いません。電子書籍は便利でなければならないと感じています。そこにお金を払うわけです。

個人的な意見になってしまいましたが、大手の考え方は電子書籍ありきではなく、電子書籍もメディアのひとつとして徐々に浸透させようという考え方が見えました。そして出版デジタル機構は電子書籍のアーカイブとしての役割を果たし、今後の電子書籍の制作方法は「固定レイアウト形式」と「リフロー形式」にしていくということなので、これに沿う形で制作をしておけば、ビジネスチャンスは見出だせそうな気がします。

※ちなみに固定レイアウト形式は既存の本をスキャンしたものや画像のみで制作したもので、リフロー形式はテキストサイズを変更したりと、操作性のある形式、標準フォーマットで制作しているものということらしいです。

というのが今回のpage2012に参加しての感想です。電子書籍に関しては人それぞれ捉え方は違うと思いますが、興味を持っている人はかなりいると思います。その興味を持っている人に電子書籍とはどういうものなのか、そしてそのニーズに我々は応えていかないといけないですね。

さて、これでpage2012の報告は終わりです。電子書籍については今後弊社もサービスをいろいろ考えていきたいと思います。

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