心温まる本

こんにちはaiです。

暑い夏が過ぎ,気持ちのよい季節になりました。
四季を感じられる日本でよかったなぁと思う今日この頃です。

秋は訳もなく切ない気持ちになったり,
人の温かさが恋しくなったりしませんか?

aiはものすごく切なくなります。

会社の帰り道,オレンジ一面の夕暮れ,
家路を急ぐ人々,どこかの家から漂ってくるさんまの煙り,
映画のように美しい眺めに時間が止まってしまいます。
見過ごしていた日常生活の中にある温かな気持ちを,
静かに感じたりするのです。




さて,今回は,読書の秋月間ということで,
前回予告した通り,ちょっぴりいい話の本,心温まる本をご紹介します。


わらの人山本甲士

どこにでもありそうなまちの理容店。
女主人のマッサージと,おしゃべりにウトウトしているうちに,
思いもよらない髪型に大変身。
髪型が変わる。たったそれだけのきっかけで,
人生が大きく変わっていく連続短編集。

眉・黒・道・犬・守・花の巻で構成されています。
さわりだけご紹介します。
(多少のネタばれがあります。嫌な方は水色の文字は飛ばしてください)

「眉の巻」
冴えないOLが理容店で大変身。
ちょっときつめの眉にされてしまった。
だけど外見の変化がきっかけで,
彼女の行動が変わって行く・・・

「黒の巻」
小指の先が無く,記憶がない男。
記憶は戻らないまま仕事を探す途中,
面接のため理容店へ。
そこでどう見ても筋者にしか見えない外見に。
仕事はどうなるのか?そして記憶はどうなるのか・・・

「道の巻」
市役所の試験を受けるのをやめた就職浪人中の娘。
先輩などの伝手を辿り,OG訪問を始めるが,
組織で働くことの興味を失っていく。
気分転換に行った理容店でとんでもない髪型になるが・・・

「犬の巻」
会社の登山研修で,社長の息子と組むことになった。
いつも職場でおとなしい男が,
研修の日すごい髪型でやってきた。
研修はどんどん泥沼にはまっていくのだが・・・

「守の巻」
一人暮らしのOLが帰宅すると,知らない人影が。
ピッキングされていた。恐怖におびえる日々。
雨宿りついでに理容店で短く髪を切った。
それから彼女の生活が変化していき・・・

「花の巻」
退職したおじいちゃんの家に遊びにいった。
おじいちゃんは趣味が無く,退屈な日々を送っているようだった。
ある日おじいちゃんは理容店でなぜか坊主にされて帰ってきた。
そこで誕生日プレゼントに作務衣をプレゼント。
坊主に作務衣が良く似合い,おじいちゃんはいつしか行動的に・・・

どれも爽快な読後感で,
私も頑張ろうかな~と前向きな気持ちになりました。

なにかきっかけがあれば,どんな風にでも人は変われる。
「きっかけ」を見逃さず,チャンスに出来る人になりたいと思いました。

[作者紹介]
山本甲士(やまもとこうし)
『ノーペイン、ノーゲイン』が第16回横溝正史ミステリ大賞優秀作に選ばれデビュー。代表的な著書に,巻き込まれ型小説『どろ』『かび』『とげ』の3部作がある。映画のノベライズも手がけ,ブログ『山本甲士/もの書き生活』では,映画コラムを紹介している。

ブログは→こちら

山本甲士はまだあまり有名な作家ではないようですが,
どの本もハズレがありません。
強引な設定ながら現実感を感じさせるのは,リアルな心理描写や,
すぐ隣にいそうなキャラ設定などの表現が豊かだからでしょうか。
読者を楽しませてくれるレベルの高い作家の一人だと思います。

『わらの人』を見て気に入ったという方は,
戻る男』『ひろいものなども要チェックです。

これで私が物騒な殺人事件の本ばかり読んでいるわけではない
ということがおわかりいただけたことでしょう。

最後に,ai流読書の楽しみ方をご紹介します。

それは,ゆっくりとお酒を楽しみながらの読書です。

ポイント
● 昼間・・・・・・夜もいいけど昼のほうが贅沢だから

● お酒はきつめに・・・・・・すぐ席を立たなくていいように

● 出来るだけ一人で・・・・・・読書は定員1名の娯楽なので

私はこの読書スタイルが最高だと思っています。
みなさんも自分の読書スタイルを見つけてみてはいかがですか?

では,よい読書を。

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