どうも、よっさんです。
タイトルだけ見ると 何じゃそりゃ ですが
今回の「歯」、印刷に関係する単位の話です。
デザイナーになるべくIllustratorの研修を続けていた私ですが、
Illustratorを卒業、7月からInDesignというソフトの研修に入りました。
これは弊社DTPで編集組版に使用しているソフトで、
Illustratorに比べて文字組版に特化したものなので
印刷会社以外ではあまり見かけないと思います。
このInDesign、
文字単位の初期設定が「歯」、すなわち、
文字の大きさを級数で指定しなければなりません。
印刷業界で文字サイズを示す単位には、
「ポイント(略称:p)」と「級(同:Q)」があります。
タイトルにある「歯(同:H)」は、文字の大きさではなく
字送り(字の中心から次の字の中心までの長さ)を表します。
大きさは級数と同じです。
1p=1/72インチ≒0.3528mm(JIS規格では0.3514mm)
1Q=1H=1/4mm=0.25mm
ポイントはインチ体系、級はメートル法に基づく単位です。
「ポイント」が生まれたのは18世紀ごろ。
それまで活字の種類や地域によってバラバラだった文字サイズを
基準寸法(旧フランスポイント)を元に定義した標準単位によって表した
フランスの制度が始まりです。
現在、DTPソフトなど
コンピュータ・システムの多くで採用されているポイントは、
英米の現行の1インチ(=2.54mm)を基準にしたものです。
WordやExcel、一太郎などの「フォントサイズ」の単位も「ポイント」です。
一方の「級」は日本独自の単位で、定められたのは約80年前。
写植システムと呼ばれる編集組版システムが開発された際
0.25mm(=1/4mm)を文字サイズの最小単位と定めました。
四分の一は英語で「Quarter」なので「Q」を文字サイズの単位としたのです。
(「級」は「Q」の当て字です。)
「級」と同時に決められた「歯」は、
歯車で字送りを操作していた時の移動量
「歯車1つ分=0.25mm」に由来します。
(「歯」の頭文字から「H」と記します)
QuarkXPressやPageMakerといったこれまでの組版ソフトには
そもそも「字送り」という日本語組版独得の考えがありませんでした。
InDesignでは日本語組版の規則に準じた設定が可能なため
文字の大きさは「級数」であり、「歯」で字送りを指定するのです。
とは言え、入社以来ずっと「ポイント」で文字指定をしてきたので、
初めてInDesignを使ったときは「は?!」と思いました。
(「歯」だけに…)
もちろん「級数」「歯」とも知っていましたが、
InDesignを始めて2ヶ月になる今も
感覚的についていけません。。。
ちなみに、
「Illustrator卒業?!じゃあデザイナーとして完璧?」
…んなワケはなく、正直レベル的には
「もし間違ってイラレを開いても動じなくなった」
くらい…かも…(汗)
こんなんですみません。。。
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