梅雨も明け、本格的な夏到来。毎日暑い日が続きますが、みなさん体調は大丈夫ですか。
今年は震災の影響による夏の電力不足の懸念から、全国で企業・個人とも節電の取組みがされているようですが、あまりに節電しすぎて熱中症にならないよう、くれぐれも過度の節電には気をつけましょう。
今回は、先日の「ファイル圧縮」の続きにしようかと思っていたのですが、急遽おすすめの本について書かせていただきます。
今月の16日~18日の3連休中、たまたまある本を借りて読んだのですが、それが久々に面白い本だったので、ぜひみなさんにもお勧めしたいと思ったからです。
その本のタイトルは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』という恐ろしく長いタイトルの本で、発売直後、かなり話題になった本なので、既に読んだという方もいらっしゃるでしょうし、まだ読んでなくてもタイトルだけはご存知の方も多いのではないでしょうか。あまりに長いタイトルのため、もっぱら短縮して『もしドラ』と呼ばれているようです。
そういえば、最近TVでアニメ化もされたようですし(私は未見ですが)、一昨年の紅白歌合戦の審査員として作者が出演されていたようです。ちなみに作者のお名前は岩崎夏海さんとおっしゃるのですが、名前からイメージしがちな女性ではなく、残念ながら中年の男性でした(ちょうど私と同じ位の年齢の方です)。
きっかけ
私も以前から、この本がベストセラーになっている(出版社のHPによれば268万部突破)ということは知っていましたが、それをあえて自分で買ってまで読みたいというところまでの関心はありませんでした。しかし、先月の下旬のある土曜日に会社主催の研修を受けた際、講師の方がこの本について、この本がベストセラーになったのは、通常の本が個人が1冊買って終わりというのに比べ、この本は一人の人がまとめ買いして、他の人にプレゼントするというケースが非常に多かったからだというお話を聞いて、どんな本なのかなと、ちょっと興味がわきました。
ただ、そうは言っても相変わらず新刊を自分で買う気にまではなれず、よく行く古本屋でも、探せばあるはずだとは思いながら、いざ古本屋に行くとそのことはすっかり忘れ、他の本ばかり見ているというありさまで、その話を聞いて3週間ばかりがあっという間に過ぎてしまい、その講師の方のお話もほとんど忘れかけていました。
そんな折、連休中にその本をある人から借りることが出来たので、ただなら読んでみようかと思い(なんて卑しい考えなのか)読んでみることにしました。(ちなみに新刊で買えば1,680円するらしいです。これを新刊でまとめ買いするなんて、かなりのお金もちでないとできない芸当です。まとめ買いの割引も普通はないですし。どうも貧乏性でこんなことばかり気になります。)
読んでみての感想
表紙には最近はやりの少女コミック調のイラストが入っていて、やや違和感を覚えましたが、気を取り直して中を開くと、活字が大きで行間も詰まっていないこともあり、総ページ270ページ近くありましたが、集中して半日ほどで一気に読むことができました。読後の感想は、これはなかなか面白い本だということでした。実はドラッカーの『マネジメント』の解説のくだりは、かなり読み飛ばし気味にして読んだのですが、また機会があれば今度はもう少し時間をかけてドラッカーの『マネジメント』の部分をじっくり読んでみるのもいいかもと思ったほどで、読み終わった後にもう一度読んでみたいと思えるような本は、そうそうないのではないでしょうか。
ドラッカーの『マネジメント』の解説を読み飛ばしたとしても、明確なストーリーがあり、最後は予想通りめでたしめでたしというハッピーエンドの一方で、それだけでない悲しい結末の要素もあり、さらに感動を盛り上げるような巧みなストーリー構成になっています。
ただ、ちょっと幻滅したのは、同出版社から出ている、この本で取り上げられたドラッカーの『マネジメント』の抄録版(エッセンシャル版)の宣伝が、興味のある方はこれもいかがですかと、奥付の次のページにちゃっかり入っていたことでした。これによって、せっかくの読後の感動が少し冷めてしまった気がしました。とはいえ、この本の印税の10%はドラッカー関連の機関等に寄付されることになっているらしく、そこがいさぎよいというか、救いといえば救いですが。
みなさんにもぜひおすすめします
いままで、気にはなっていてもドラッカーの『マネジメント』と聞くと難しそうで…と気後れしてまだ読んでいない方は、私のような読み方でも十分面白いと思いますので、ぜひ読んでみてはいかがでしょう。ちょうど今は夏休み、学校の読書感想文の宿題用の課題の本としても、ストーリーの主人公が高校生なので、内容的にも高校生にも共感できる部分が多くうってつけだと思います。大人にとっては、ドラッカーの『マネジメント』の入門書として、自分の会社の組織の問題解決の参考にするといった高度な読み方もできるでしょう(私にはそこまでの深読みは無理でしたが)。
つまり、一家に1冊あれば、子ども(中学生上級~高校生?)から大人まで楽しめるという、大変お得な本ではないかということです。
ここまでほめてしまうと、何だか出版社の宣伝をしているみたいですが、もちろん純粋に自分で読んで面白かったから、みなさんにもお勧めしているだけですので、くれぐれも誤解のありませんように。それでは、また。
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