PAGE2011-印刷会社が取り組む電子書籍の現状と未来-

皆さんお疲れさまです。よんです。

前回の続き、というよりはセミナーに参加しての感想になります。大げさなタイトルがついていますが、決して期待はしないで下さい(汗)

初日のあらすじはgulaが書いてくれましたので。…実は初日のPAGE終了後はgulaと秋葉原に遊・・・いえいえ社会勉強へ行ったのですが、このあたりはまた後日に語りましょう。

さて、私が参加した初日のセミナー「印刷会社が取り組む電子書籍ビジネス」は、とても人気があったようで、スピーカーの方が言われていましたが今PAGE最高の集客があったのだとか。確かに何回もPAGEに参加している私も、立ち見が出ているセミナーは始めてでした。それだけ電子書籍は注目されているということですね。

以下セミナー中にメモした内容を箇条書きにしてみます。

「印刷会社が取り組む電子書籍ビジネス」

  • 電子書籍は取っつきにくそうに見えるが、何も取り組まなければ他の業界に持っていかれる。特にWeb業界は虎視眈々と狙っている。なぜか?ノウハウが活かせる。電子書籍の形式のほとんどはWebサイトなどで使われるコードと同じ。
  • 著作者からすれば紙だけではなく「もうひとつのチャンネル」ができたと思った方がよい。紙では敷居が高かった出版が電子書籍では簡単に。敷居を下げてくれる。(自費出版など)本を出したいというニーズはけっこうある。
  • 電子書籍はただやるだけでは意味がなく、作るだけでは意味がない。どうやって収益を得るかを模索する必要がある。ここがすごく難しい。現状利益を得ているところはほとんどない。
  • 制作するソフトや技術は台頭してきたが、その流通、市場はまだまだ確立されていない。ビジネスモデルがまだ出来上がっていない。
  • 紙などの印刷物は制作や流通など様々な制約があるが、電子書籍はその制約を解放する。
  • 電子書籍にルビは必要か?週刊雑誌の漫画の漢字にはなぜルビがふってあるのか?あれは漢字を読ませるためではなく、イメージを植え付けるためのもの。読ませるためではなく、引き込むための工夫。日本の文化がそこにはある。電子書籍にもそれが反映されれば、とっつきやすくはなるだろうという解釈。

▼電子書籍制作に取り組んだ大村印刷・光陽メディアの2社の共通点

  • 儲かる儲からないにしろ、まずはやってみろ!という経営者の姿勢。自由に取り組みができる環境。
  • 顧客思考。まず目的を定めそこに向かう。※目的があれば問題を解決する姿勢になる
  • 大手の出版業界ではなく、一著作者と一出版社から真正面から向き合う。
    ※中小企業は大手の真似をしても意味はない。
  • 今はお客様も悩んでいる。

▼ポイント

  • 「受注できる会社」ということを認識してもらうことが大事。
  • 自社HPの見直し。新しいプロモーションが必要。
  • 紙ではできないこと、デジタルでできることを認識すること。

▼注意点

  • 著作者との契約というビジネス課題
    ※二次利用をする際の契約をしっかり決める(カメラマンやライター)
    ※問題が起こる前に対策が望ましい
  • 価格設定
  • 納品して終わりではない

▼顧客への理解

  • 目的の設定
  • まずはやってみて経験を積む
  • 今後はおそらくパートナーが必要
  • 著作者エージェント(編集者)
  • 読者側エージェント(人、IT)

印刷会社の利益はあるか?今はない。

エンドユーザー、著者に付加価値、利便性を徹底的に追求しないと成り立たないだろう。

今までのビジネスモデルでは無理。

ただ、利益がないからと言って何も取り組んでいなければ未来はない。地域のお客様と一緒に悩みながら作り上げていくことが重要。

このような内容でした。まとまってはいないと思いますが…。

私が今回このセミナーを聞いて感じたことは、電子書籍の取り組みもそうなんですけど、それをすることによって人の価値観や考え方が変わってきたんだなという点です。どちらも共通しているのは先の記事でも書いたように概念が変わってきているという点です。例えば営業にしても紙だけではなく、紙で組んだデータの2次利用。Webに電子書籍。デジタルでできることの認識を得たこと。また、それをお客様に伝えようとする努力。

DTPなどは紙の組版だけだったのが、電子書籍、デジタルコンテンツになることによって、データの作り方、そのコンテンツの利用の仕方、検索やリンク、データベースや動画、アニメーションも可能だということの理解。そしてそれらを営業と現場でやることによって相互の理解にも繋がったという点でした。紙ではできなかったことがデジタルコンテンツでは可能という理解はとても大きいと思います。

セミナー中にあったイメージ図が分かりやすかったので書いてみました。

電子書籍メモ

現状、電子書籍の制作を印刷会社が取り組んだとしても今のところ利益は出せないかもしれませんが、今後、将来的に見た印刷会社の在り方という点ではとても大きな取り組みだと思えます。

現在タブレット型のハード(媒体)がどんどん出てきていますが、一般のユーザーがそれらを一人一台持っているかと言えば、まだ全然です。ただ、携帯が一人一台になっている今の時代を見ても電子書籍を読める媒体が一人一台になる時代もそう遠くはないでしょう。そうなれば市場は出来上がりますから、その時のために電子書籍、もしくはデジタルコンテンツの制作ノウハウの蓄積が今後必要不可欠と思えます。

紙で組んだものをうまく2次利用しやすく、また、これは企業側だけではなく、お客さんも同様の理解が必要だと思います。「印刷会社は紙だけではないんだな」という認識を持ってもらわないといけないのではないでしょうか。

個人的な解釈も入りましたが、これにて私のPAGE報告は終わりです。PAGEで見た展示会などや他のセミナーもあるのですが、正直同じような内容になってしまいそうなのでこれでまとめとさせていただきます。

あとは秋葉原探索などを…(∀)b

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